台湾侵攻、習近平を待ち受ける「泥沼」の予兆。難攻不落の地形と、戦死を許さない"一人っ子兵士"の弱点
すでに自国周辺の勢力圏を重視するトランプ米大統領は米中で世界を仕切る「G2」や、同盟国からの米軍の撤退にも言及しています。こうしたディールを結んだ場合、米軍がグアムなどを結ぶ第2列島線まで防衛ラインを後退させるのは必至です。
これは日本などが事実上、中国の勢力圏に落ちるか、独力で中国と対抗しなければならなくなることを意味します。前者なら、国の重要政策で中国の了承が必要になる属国のような状態に近づきます。
後者であれば軍事費や兵員の急拡大を迫られることになります。それでも人口で10倍の核大国の圧力をはねつけ続けられるかは不透明で、中国の領土面の要求に対して妥協を迫られる可能性があります。
一方で、中国にとってはこれは理想的なシナリオです。中国には超大国の座をアメリカから奪おうという野心はありません。ただ、古代や中世の時代の漢王朝や清王朝のように自国周辺を勢力圏に置き、アメリカと対等に扱われることを目指してきました。
これは世界秩序の維持への大国の責務をできるだけ果たさずに、内政へのアメリカの介入の可能性を封じることで共産党政権の保身を図る戦略といえます。中国にとって実現のためには、アメリカにいくら経済的な恩恵を与えても惜しくないビジョンです。
地形的に難しい台湾攻略
実際には台湾の制圧作戦は、習近平政権にとって極めて大きなリスクをはらんでいます。
四方を海に囲まれた台湾は攻めにくい地形です。海を越えた上陸作戦が困難なのは古代から現代まで変わりません。多数の兵員だけでなく、装備や食料なども船で贈り続ける必要があるためです。
中国本土との間にある台湾海峡は、最も狭いところでも約130キロメートルあります。荒天の日が多く、東岸は断崖や山が海岸線まで迫り、上陸は困難です。
西岸でも大きな艦艇が接近できるのは台北近くの基隆港や南部の台南周辺などに限られ、防御側は比較的短い防衛ラインに火力を集中できます。台湾は、島の3分の2をゲリラ戦に適した山岳地帯が占めています。
このため作戦が短期で終えられず泥沼化すれば、中国側は厳しい状況に置かれます。長く続いた人口抑制策の影響で中国軍の兵員の大半は一人っ子で、親も子の収入に依存する例が少なくありません。


















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