DICがモネ「睡蓮」など美術品売却で100億円程度確保、追加の株主還元を実施する可能性
化学メーカーDICの池田尚志社長は5日の会見で、昨年11月に国際オークションで売却した絵画の売却収入がおおむね目標とした100億円程度になる見通しだと述べた。今回の売却収入は業績に織り込んでおらず、追加の株主還元を実施する可能性がある。
DICは同社保有の美術品約20点を米ニューヨークのオークションで売却した。クリスティーズによると、モネの「睡蓮」など主要8点の売却総額は約165億円だった。実際の収入は手数料を差し引いた金額となる。DICはオークションという手法の不確実性から業績予想には織り込んでいない。追加収入があった場合は機動的な株主還元を行う方針を公表していた。
ブルームバーグの取材に対し、池田氏は「個別の案件ごとにキャッシュの使い道を考えるということはしておらず、トータルのキャッシュをどう配分するかという考え方だ」と述べた。美術品の売却収入は16日に発表する前期(25年12月期)の通期決算で反映し、全体のキャッシュの使途は必要があれば修正するとした。
同社は化学メーカーでありながら大量の美術品を保有していることがアクティビスト株主に批判されてきた。昨年9月時点で保有していた美術品の4分の3を売却し、戦後の米国美術を中心とした20世紀の美術作品100点を残す方針を示したが、株主であるオアシス・マネジメントのセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)は、同社コレクションの象徴的存在であるマーク・ロスコの絵画7点を含めて全作品を売却すべきだと主張していた。
5日の会見では、国際文化会館との共同運営で30年に開館する新美術館の詳細を公表した。建築費や人件費などは国際文化会館側が負担するため、一企業としての資金拠出は、昨年3月に休館した直営美術館に比べて激減する見通しだという。
池田氏は「私が入社した年に美術館ができた。それ以来、何度も訪れ、ロスコの前で自分自身と向き合ってきた。DICという会社の中心にこの作品群があり、社員の一人ひとりが精神的なよりどころにしている。そう簡単に切り離せない」と述べた。
著者:谷口崇子
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