原発事故から子どもと被災者を守る法案の一本化に与野党が合意、住民本位の生活再建への第一歩に
野党側で昨年から法案作成にかかわってきた川田龍平参議院議員(みんなの党)は、「医療費の減免に際して、患者側に原発事故に起因する病気であることを立証する責任を課すことは認められない」と主張。指摘を重く受け止めた谷岡議員らによる政府の説得を経て、ネガティブリスト方式の導入が決まった。施策を着実に実施するために「基本方針」も明記する。
もちろん、法案成立後も前途に多くのハードルが待ち構えていることは確かだ。子ども・被災者支援法案では、避難指示区域に該当しないものの一定基準以上の放射線量が続く地域を「支援対象地域」として定めたうえで、医療や教育、食の安全などさまざまな面で必要な施策を講じるとしている。ただ、財政負担や人口流出を懸念する政府、地方自治体と住民との間で、支援対象者や支援対象地域の線引きをめぐって意見が対立する可能性もある。
「法案成立後、被災地での対話のみならず、広域避難した方々とも意見交換も行い、必要な個別法案の制定や施策の実施につなげていきたい」と川田議員は力を込める。原発事故から1年3カ月が過ぎようとしている中、「住民本位の政策の第一歩」(谷岡議員)としての法案が実効性を持つためには、被災者が積極的に政策作りに関与していくことが不可欠だ。
谷岡郁子参議院議員(民主党)
川田龍平参議院議員(みんなの党)
(岡田広行 =東洋経済オンライン)
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