原発事故から子どもと被災者を守る法案の一本化に与野党が合意、住民本位の生活再建への第一歩に

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原発事故から子どもと被災者を守る法案の一本化に与野党が合意、住民本位の生活再建への第一歩に

福島第一原発の事故で被災した子どもや住民への生活支援をめぐり、与野党がこれまでに提出した法案を事実上一本化することで6月6日、合意にこぎ着けた。法案の策定にかかわった与野党の議員が記者会見(写真)を開き、今国会での法案成立をめざす方針を明らかにした。

昨年の原発事故以来、政府は仮設住宅の建設や原発事故被災者への雇用保険適用などの支援策を打ち出してきたものの、多くが不十分なものだった。今年3月には福島復興再生特別措置法が衆参両院で全会一致で成立したものの、項目の大半は経済・産業面での支援策で占められている。

それらとは異なり、今回、与野党が合意した「子ども・被災者支援法案」には、被災者が直面する生活上の問題の解決に直接手を差し伸べる内容が数多く盛り込まれている。放射線被ばくによる影響を受けやすい子どもや妊婦に特別に配慮することや、冷遇されてきた自主的に避難した被災者への支援など、これまでにない項目が含まれていることが大きな特徴だ。

また、与野党の法案の「長所」を取り入れた点も特筆される。たとえば、従来の野党法案では子どもと妊婦が主な支援対象とされていたのに対して、与党法案では幅広く被災者を対象としていた。法案一本化に際しては「子ども等への特別な配慮」という記述を条文の多くに明記したうえで、与党法案の長所を生かして支援対象を被災者全体とした。

子どもや妊婦への医療費減免については、野党法案の内容を取り入れたうえで、放射線による被ばくに起因しない病気を除いて医療費負担を減免する仕組み(ネガティブリスト方式)を設けることになった。過去の薬害や原爆被害の教訓を生かし、被害者に立証責任を負わせる仕組みとならないように工夫した点は画期的だ。健康調査については野党法案の内容を入れて国の責任を明記。福島県に限らずに実施する。

与野党協議に際して与党側で中心的な役割を果たした谷岡郁子参議院議員(民主党)は、「与野党法案の良い点を盛り込んだだけでなく、市民から出てきた新しい知恵も取り入れた」と舞台裏を明かす。

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