盛り上がる《名作のリバイバル上映》が、映画界にとって「両刃の剣」なワケ "三方よしコンテンツ"だが、負の側面もある

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これは、一部のビッグタイトルが、シネコンのほとんどのスクリーンを公開時に占拠するのと同じ構造だ。

そこには、一部の映画会社や権利関係者だけが利益を享受し、そのほか大多数の映画関係者は不利益を被る問題が生じる。映画業界全体としては、決して望ましい状況ではない。

リバイバル上映にはそんな功罪がある。リバイバル上映が増えてヒット作が続くことで映画館は賑わい、興行は盛り上がるが、一時の市場の隆盛と引き換えに、映画業界の未来が閉ざされていく。まさに「両刃の剣」になっているのだ。

リバイバル上映そのものが悪いわけでない

こうした小規模作品の上映機会の損失は、映画業界の積年の課題だ。関係者全員が認識してはいるものの、それぞれの立場による正義とビジネスがあり、これまで明確な答えが出ていなければ、足並みも揃っていない。

しかし、映画監督ら一部の有志による、業界が抱える構造的な問題を含めた現状を変えようとする動きはあり、徐々にだが、官民連携の取り組みとして進みつつある。いままさに映画業界は、産業および文化としての未来がかかった過渡期に差し掛かっている。

ただ、もちろんリバイバル上映そのものが悪いわけでない。ファンがあってこその映画であり、ファンを育ててファンダムを大きくしていくことで産業も文化も発展していく。

リバイバル上映には、昨今の興行市場を下支えしている功績があり、産業にとって不可欠なコンテンツであるのも事実だ。功罪はあっても、そのバランスを取りながら、これからもさまざまな作品のリバイバル上映がファンを喜ばせ、興行を盛り上げることが期待される。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Yasuyuki Takei

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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