「心臓マッサージ3000円」「オプジーボ50万円」が物語る医療現場の"命の格差"――技術より薬が上。医師が明かす「不要な検査・入院」の裏側

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日本医師会の影響力が強い外来診療の診療報酬はまだましだ。病院で行われている一部の医療行為の値段は驚くほど安い。例えば、心肺停止患者に対して実施される心臓マッサージは3000円だ。人命救助に直接関わる行為だが、市中のマッサージより安い。

一方で、がん免疫治療薬オプジーボの点滴は1回当たり約50万円だ。心臓マッサージの160倍である。

オプジーボの価格について、製薬企業は「開発に巨額の投資が必要だから」と説明するが、心臓マッサージを行う救急医の育成にも金がかかっているし、医師が心臓マッサージをするためには、救急外来の体制整備や看護師などを配置しなければならない。

先進国で比較する国民医療費

日本の医療費は抑制すべきか。あるいは、増やすべきなのか。この問題を論じる際に参考になるのが、国際比較だ。高齢化が進み、医療費抑制に懸命な先進国の国民医療費は、どうなっているのだろう。

下の表は、経済協力開発機構(OECD)『図表でみる医療2025』に掲載された主要先進7カ国(G7)の国民医療費の対GDP比率を示したものだ。日本は10.6%で、G7の中ではイタリアに次いで2番目に低い(※外部配信先では表を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

日本の高齢化率(65才以上人口の割合)は29%とG7で突出しており、本来必要な医療費が増大するはずの状況下で、この低さは異様だ。

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