「私の身体は私のもの」——中絶をめぐる女性たちの葛藤と現実《予期せぬ妊娠は他人事ではないのに…》選択を縛る制度の壁

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避妊法が限られ、男性任せのコンドーム使用が中心の日本で、異性と性生活を送る女性には予期せぬ妊娠の不安が付きまとう。その不安があるために、セックスをあまり楽しめない、敬遠するようになった、という人もいるだろう。

悩んだ末に産んで幸せな人生を送る人もいるが、無理をして産んだために経済的に困窮した、望んでいたキャリアを断念したなど、後悔の多い人生となった人もいる。

大橋さん
(写真:編集部撮影)

大橋氏は「予期せぬ妊娠は、年齢にかかわらずよくある。だから元の身体に戻るための手段として中絶という選択肢も必要です。いきなり起きたハプニングを取り除くのは普通のことで、『最後の手段』とする考え方があまりにも強いのは疑問があります」と話す。

「私の身体は私のもの」

配偶者の同意を必要とする現在の法制度についても、「SRHR(性と生殖に関する健康と権利)」、つまり「私の身体は私のもの」とする観点から不自然と指摘する大橋氏。

「戦前は嫁に発言権がなく、子どもはイエのものとされていたので、中絶の意思決定に戸主や親族会議などが必要でした。パートナーに子育てに協力してほしいという思いから、配偶者同意の条件に疑問を持たない人は多いと思いますが、これはイエ制度の名残と言えます。

でも、女の人は身体への負荷が大きい妊娠をするのに対し、相手は精子を出すだけで終わりにできてしまう。2人が仲良くコミュニケーションを取れていないケースも、かなり多いです。一緒に子育てするとは考えられない妊娠相手のときもある。

女性は妊娠を継続したくないのに、相手が産んでほしいと思うなら女性は中絶できない。つまり、最終決定権を男性が持つことになってしまう。これはどう考えてもおかしい」とわかりやすく説明する。

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