音楽界に異変?「フォーク」人気が再燃のワケ

吉田拓郎や長渕剛だけではない

若い世代からも人気のフォークシンガー、おがさわらあいさん

しかし、下町フォーク・フェスティバルで、最も熱い声援を浴びていたのは、35歳のプロフォークシンガー、おがさわらあいさんだった。この日の曲調はアップテンポで、エネルギッシュ。これがフォークなのか、と度肝を抜かれた。

「私が歌っているのは、みなさんがイメージするような、いわゆる『フォーク』とは違うので、新東京フォークソングって呼んでいます。『フォーク世代』じゃないですが、フォークが大好き」と話すあいさんは、フォーク界の新風として同世代からも支持が熱い。

人間らしさ、日常、それがフォーク

新風だけあって、その世界観は「いわゆる」フォークのイメージにとどまらない。それでも彼女は、自分の音楽は「フォーク」なのだ、とのこだわりがある。

「つらいことがある中、なんとか頑張って毎日を生きているのに、つらさを隠して『まぁ、人生うまくいくよ』みたいなポップなノリが、私は好きじゃないんです。実際、生きていくには、つらさとか悲しみからは離れられないですよね。だから、フタをするんじゃなくて、それも含めて歌っていく。生きてくことの大変さは認めつつ、でもいいことだと思うよっていうのを表現したい。あえて、定義するとしたら、その『人間らしさ』がフォークだと思います。ジャンル名はわかりやすいように、誰かがつけただけ」

13年から開催される野外フェス「JAPAN FOLK FESTIVAL」に集う観客たち

2013年から野外フェス「JAPAN FOLK FESTIVAL」を主宰する代々木原シゲルさん(31歳)は、フォークは「日常」という意味で使っていると話してくれた。

「先輩方には、昔と違う、本当のフォークがわかっているのか、政治や反戦のメッセージをみんなで歌うから意味があるんじゃないか、と言われることもあります。でも、僕らのフォークはそうじゃありません。なぜかというと、それが僕らの『日常』だからです。きっと、1970年代のころも、そのときの『日常』を歌にしていたと思うんです。それがその時代は、政治とか反戦だった。僕たちも2015年の『日常』を歌にしているだけ。世の中的に大きなことよりも、それぞれの日常の悩みのほうが、今は歌うべきことなんじゃないかと思っています。それが30年後に思い出したとき、あの時代のフォークと呼ばれるものになるのかな」

手弁当で始まった、代々木原さんのイベントは、3年目の今年、100組の若手アーティストたちが参加し、全国から1000人以上の観客が集まった。
フォーク界の担い手は広がり、そこには確実に変化があった。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。