4代目プリウス、密かに進む値引き交渉の実態 12月発売目前!コミコミいくらで買えるのか

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現行3代目は、当時のライバルであるホンダ「インサイト」への対策もあって割安な価格設定で登場した

ただ、これは正式発売までの期間限定の「特典」の可能性も高い。つまり、正式発売後に値引き条件が引き締まるシナリオは十分ありうる。それにしても、いくら販売店が利益を削っても値引きをしようと考えているとはいえ、メーカー側がOKを出さなければ、発売前の新車から20万円という値引き条件はなかなか提示できない。3代目のデビュー当時には見られなかった動きではある。

10月下旬~11月上旬に開かれた「東京モーターショー2015」で実車も一般公開され、各メディアがこぞって事前情報を報じている4代目プリウス。11月下旬にオーダーを入れても、納車は来年2016年4月以降まで延びることがほぼ確実ともいわれており、事前予約の件数はかなりのものになっているようだ。

「地域によっては若干息切れ」という話も

ただ、「地域によっては若干の息切れ状態となっている」という話もある。正式発売後すぐに年末年始休みによる生産工場の長期稼動休止などを考えると、納期遅延を額面どおり受け取って「大ヒットモデル」と呼ぶかは、しばらく様子を見てから最終判断したほうがいいかもしれない。

4代目プリウスはどのグレードを買ったらいいのか。SとAの差は単に装備が違うだけではない。4代目Sの駆動用電池は3代目同様にニッケル水素電池となるが、4代目Aはニッケル水素電池よりも小型で軽く、高性能なリチウムイオン電池を新採用している。また目玉装備の安全運転支援システム「トヨタ・セーフティ・センスP」もAでは標準だが、Sではオプション設定となり、装備すると価格が上がってしまう。

トヨタ・セーフティ・センスPとは、具体的には、ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせにより、クルマに加えて歩行者も検知して自動でブレーキをかける「プリクラッシュ・セーフティ」を搭載。レーダーで前を走るクルマとの距離を測って、近づきすぎるときには自動でブレーキをかけて車間を保つ「レーダークルーズコントロール」、白線からはみ出ることを警告する「レーンディパーチャーアラート」、対向車を検知すると自動でロービームに切り替える「オートマチックハイビーム」の4つの先進安全機能を組み合わせている。

最廉価版のEとSの違いはどうか。Eは40km/Lを達成し、リチウムイオン電池も採用している「燃費スペシャルグレード」的な立ち位置のグレードだが、装備内容が充実していないという弱点がある。5万円ほどの差を考えると、Sのほうが実用的かもしれない。事情通によると、「4代目Sはレンタカーやカーシェアリング、法人営業車といったフリート販売向けグレードと位置付けられている面もあるようです」という話もある。

4代目プリウスが駆動用電池を2種類用意しているのは、電池供給がボトルネックとなり、長期の納期遅延を招いた3代目のデビュー時の状況を繰り返さないためなど諸説ある。トヨタらしい慎重な対応ともいえる。

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