「俺と同じように、医者になれ」適性なくても?令和の今、医学部が大人気のワケ
さらに、地域枠の拡充も医学部志願者増加を後押ししています。地域枠とは、卒業後に指定された地域でおよそ9年間勤務することを条件に、月額10万〜20万円程度、総額で1000万〜2000万円以上の奨学金が貸与され、義務期間を満了すれば返還が全額免除される制度です。
医学部を有する79大学(産業医科大学、防衛医科大学校を除く)のうち、71大学、約9割が地域枠を設置しており、経済的な理由で医学部進学を諦めていた層にも門戸が広がっています。
また、近年特に注目されているのが、女性の医学部志願者・入学者の増加です。2025年度入試では、女性の受験者数が5万3917人となり、3年連続で増加し、過去10年で最多を記録しました。入学者に占める女性の割合も41.0%と過去10年で最高水準となっており、私立医学部に限ると女子比率の平均は46.0%と、5割に迫る勢いです。
こうした状況を背景に、子どもがまだ若いうちから「医学部」という進路をすすめる親も少なくありません。医師は「手に職がつく」「景気に左右されにくい」というイメージが強く、安定した職業として親世代から高く評価されているためです。特に女性にとっては、出産や育児を経た後でも専門職として職場復帰しやすい点が、医学部の魅力として映っていると考えられます。
医学部が合わない人もいる
一方で、医師という職業がすべての人に向いているわけではありません。親の意向を優先して医学部を目指した結果、浪人を重ねてしまうケースや、多浪の末にようやく合格したものの、その後の学業や医師国家試験で苦しむケースも現実には存在します。
医学部人気が高まる今だからこそ、「医学部に入ること」自体を目的化せず、その先の適性や人生設計まで含めて考える視点が、これまで以上に求められていると言えるでしょう。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら