「初任給30万でこの程度…?」 「入社7年目でもらっていた額と同じ…」 高給新卒とベテラン勢の悲鳴『現場崩壊のリアル』

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この不満はある意味、正当なものだろう。しかし、怒りの矛先を新人に向けても、彼の給与は1円も上がらない。もちろん、初任給を引き下げる効果もない。

企業もこのリスクを放置しないだろう。「新人の給与だけを上げる」ことが組織崩壊を招くことを理解している。多くの企業が、既存社員への是正措置に乗り出している。

企業が打ち出す「逆転防止策」

企業の対応策は主に3つある。

(1)既存社員のベースアップ
(2)若手層への重点配分
(3)成果主義への評価シフト

一つひとつ解説していこう。

まず(1)既存社員のベースアップ。バンダイの事例は象徴的だ。

同社は新卒初任給を29万円から30万5000円へ引き上げた。しかし同時に、部長職を除く既存社員の給与も増額し、各役職の下限給与を一律1万5000円引き上げた。シニア社員の理論年収も158%へ引き上げるなど、全世代への配慮を見せた。

次に(2)若手層への重点配分だ。

明治安田生命は初任給を引き上げる際、入社5年以内の従業員について平均8%以上の賃上げを実施した。SBIホールディングスも、入社3年目までの給与を一律10%引き上げている。

最後に(3)成果主義への評価シフトである。「能力があれば新人でも高く払う。先輩でも能力がなければそれなりだ」という成果主義への転換だ。

KDDIは初任給を30.5万円に引き上げたが、高いスキルを持つ新卒には最大36.5万円を提示する。同時に既存社員に対しても平均約6%の賃上げを行い、高評価者には特別昇給や特別賞与の支給を行っている。

つまり、「高い初任給」は「高い成果」を求められる。これはプレッシャーの裏返しとも言える。

「初任給高いのに、これぐらいの仕事もできんのか」

そう言いたくなる気持ちは痛いほどわかる。しかし、今すべきことは、新人の至らなさを嘆くことではない。メジャーリーグで年俸が高騰する選手にその分の活躍を求めるのと同じ。給与に見合う成果を出させるための指導と育成に注力することだ。

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