全国各地の「ご当地うどん」が大ブームの中、なぜ「関西風うどん」は東京で流行らないのか 専門店が進出しない「意外な理由」

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このように関西風うどんは出汁の味わいに重きを置くため、うどんの麺は出汁の邪魔にならないように柔らかめにゆでるという特徴もある。麺が目立っては駄目なのだ。

大阪市の南船場にある1893創業の「うさみ亭マツバヤ」は「きつねうどん」発祥の店としても知られる。

店主に味の特徴を聞くと、「うちの場合、実は雑節だけじゃなく、高級品であるカツオの枯れ節も使って出汁を取っているんです」と胸を張る。

老舗店は「東京出店は全部断っている」

「カツオの枯れ節を上手に使うのは、どちらかといえば京都の出汁です。うちは大阪ですが、両方のいいとこ取りを狙ったんです。

麺は柔らかさに気を配っています。外国産の小麦粉である程度のコシを出し、国産の小麦粉をブレンドして柔らかさを出します。

『東京に出店してください』という依頼はそれなりにあったけれど、うちは家族経営ですから全部断っています。

大阪の人がうどんに求める味が時代とともに変わってしまったのか、それは私には分からないけれど、とにかく自分たちの味を守り続けることが大切なことだと思います」

関西出身で食文化を研究する辻静雄料理教育研究所の今村友美さんは「本物の昆布出しはフランスや中国の一流シェフが使う時代になりました」と語る。

「最高級昆布が海外に輸出され、日本国内で昆布の争奪戦が起きています。和食の出汁が世界中で高く評価されているのは日本人にとってうれしいことですが、肝心の日本国内で衰退しては意味がありません。

日本伝統の味を守るという観点からも、関西風うどんの魅力を多くの消費者に見直してもらうのは価値があることではないでしょうか」

古くから庶民に親しまれてきた「関西風うどん」が、関東圏でも広く食べられる日が来ることを願いたい。

(井荻稔)

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