「友人で元日本テレビアナウンサーの町亞聖(まち・あせい)さんは、18歳から10年間介護を経験した元若者ケアラーです。観劇仲間なのですが、一度『息子をヤングケアラーにしないためにできることはあるか』と聞いたことがあります」
すると町さんからは、「大切なのは、日ごろからの親子のコミュニケーション。困ったときに『助けて』と言える子どもに育ててあげてください」という答えが返ってきた。
もっと具体的な、例えば行政サービスや国・自治体の制度に関する情報が来るかと思いきや、驚くほどシンプルな答えだ。しかし、これは多くのヤングケアラーたちにとって、当たり前のようで当たり前ではないのかもしれない。
「大切なのは『助けてほしい時に声を上げられる子に育てること』だそうです。昔は『身内の恥をさらす』という言葉があるように、周りに助けを求めにくいムードがありました。僕自身も『人の情けはありがたいけど、それにすがるのは恥ずかしい』と、なんでも自分で解決しようとしてしまうタイプです。でも、これからは人口も減って多様性の時代になる。いろんな立場の人が互いに助け合わないと、共生できない世の中になっていくんじゃないですかね」
オープンマインドがカギとなる
そういうつもりで書いたわけではなかったけど、とはにかみつつ「出産時のことを綴った著書も、広い意味で息子のセーフティーネットになっているかも」と中本さんは語る。
そもそも中本さんの著書が生まれたきっかけは、妻の壮絶な出産時期に、SNSを通じて友人や知人に状況を知らせていたことだった。すると、中本さん家族を知って力になってくれる人や、「うちも似たような状況です」と情報交換をしあう人が現れた。
「思い切って、つらい時は『つらい』とオープンにしてみたら、手を差し伸べてくれる人がたくさんいた。今の時代、情報公開の範囲は判断が難しい部分もありますが、出せるところはオープンにした方がいいんだと思いました。子どもをヤングケアラーにしないためには、親自身がオープンマインドの姿勢を見せることが大事かもしれない」


















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