「子どもは思ったことをそのまま言っているだけですからね。息子は気にしていないようですが、いつか息子に『なんで若い時に産んでくれなかったの』と聞かれたら……。でもそれは、しょうがないとしか答えようがないな」
52歳で逝った父と、62歳の自分を重ねて
ちなみに、中本さんは大学2年生で実父を亡くしている。父親は52歳だった。
「当時は僕が反抗期だったこともあって、父とはあまり会話もできないまま逝ってしまいました。父はいわゆる“昔の父親像”そのもので、殴られこそしませんでしたが、叱られる時は本当に怖かったです」
父が亡くなった年齢を超えて、56歳から子育てをスタートした中本さん。育児を通して、「父もきっと、こういう場面で声を荒らげたくなっただろうな」「意外とちゃんと教育してくれていたんだな」など、ふとした瞬間に父を思うことがあるという。
「父とはもっと話したかったですね。その分、息子とはなんでも話せる間柄でありたいし、僕もできるだけ長生きしたいです」
最後に、中本さんにとってどういう親子関係が理想的だと思うか尋ねた。
「もはや、父というより“祖父と孫”と言ってもいいくらいの年齢差ですからね。父だけど、おじいちゃんみたいな。一周回って友だちみたいな関係でいたいです」
おじいちゃん、ということは中本さんの実父の目線でもある。亡き父の分まで、息子のおじいちゃんの代役を引き受ける。それは、父が経験するはずだった「おじいちゃんの気持ち」を代わりに感じることでもある。シニア世代からの子育ては、一度に2世代の人生を旅するような、レアな醍醐味を享受できるのかもしれない。
前編:「妻が妊娠中に心臓手術」「小泉進次郎から電話」――元・夕刊フジ編集長、仕事一筋だった"昭和の報道マン"を変えた56歳からの高齢育児
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