野党の批判は意外と正論? 過去最大"122兆円予算"に透ける高市政権「責任ある積極財政」の危うい正体
さらに、読売新聞が実施した同省のショーン・パーネル報道官への取材で、日本の防衛費をNATO(北大西洋条約機構)加盟国並みの対GDP比5%まで引き上げる必要があるとのアメリカの見解が判明した。
高市首相は来春早々に渡米し、日米首脳会談を行う意向を示している。来年4月にはドナルド・トランプ大統領が中国を訪問するため、その前に強固な日米関係を示したいようだ。その際の“手土産”となるのが「対GDP比2%達成」という数字だろう。
しかし、防衛関連費増額の財源は所得税で、27年1月から所得税額の1%付加が実施される予定だ。代わりに政府は、東日本大震災の復興財源に充当する2.1%の復興特別所得税を1%引き下げるというが、課税期間は現行の37年から47年まで10年延長される。
また、インフレなどによって「2%」の基準となるGDPが増大すれば、防衛費も増大させなければならず、これらについても野党が厳しく追及するに違いない。
長期金利の上昇など経済面の課題が山積
通常国会は来年1月23日に開会される予定で、高市内閣が高い支持率を維持する限りは、年明け早々の衆院解散・総選挙はなさそうだ。最大の課題は経済となるが、12月22日に26年10カ月ぶりに2.1%と達した長期金利がさらに上昇して成長率を上回れば、急激なインフレを招きかねない。
「見える世界」の先を予測し、対策を講じるのが政治家の役割だ。高市首相は12月27日から年末年始の休暇に入り、議員宿舎から首相公邸へ引っ越すなど、不測の事態に備えた態勢を整えている。
女性の首相就任を阻んできた「ガラスの天井」を破ったものの、次のハードルが待っている。年が明けても国のトップは、果てしない孤独と無限の責任を強いられる。
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