「月額4万7000円~」「温泉付き」… 中国の《最先端・老人ホーム》を訪問して驚いた 「高齢者向け施設」に問われる"質"と"あり方"とは

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老人ホームに入ることを「家族に見捨てられた」と感じる高齢者もいれば、親を施設に預けることで「不孝だ」と周囲に言われるのではないかと心配する子どももいる。

古来、中国には「養児防老」という考え方がある。子どもを育てるのは、老後に自分を支えてもらうため――そんな価値観が長く社会を支えてきた。年を重ね、病を抱えたときには、子どもが面倒を見るのが当然とされてきた。

しかし今、この前提は揺らいでいる。経済状況や住環境の多様化もあり、定年後に働いてきた都市を離れ、より気候の良い地域で暮らす高齢者も増えている。

一方、若者は大学卒業後、故郷以外の場所で働く人が増えている。こうした流動性の高まりの中で、「養児防老」は現実的ではなくなりつつある。そもそも一人っ子世代が親と祖父母の2世代の介護を担うことが、すでに社会問題となっている。

かつての中国で当たり前だった「養児防老」という伝統的な家族観は、今や見直しの時期を迎えているのかもしれない。

高齢化社会における日中協力の展望

中国において、高齢者ケアは勢いを持つ成長産業で、さらなる市場拡大が確実視されている。とはいえ、現在中国では、すべての高齢者施設が理想的というわけではない。

日中両国は世界でも類を見ないスピードで進む高齢化の衝撃に直面している。日本が培ってきた質の高い介護サービスや制度的知見と、中国が大規模な施設で進めるデジタル技術を活用した革新的なケアを融合させることは、双方に大きな利益をもたらすだろう。

将来を見据えて、両国が介護分野での交流を深め、人材育成や福祉用具の共同開発を推進することは、アジア全体の「老い」に対する持続可能なモデルを構築するカギとなる。相互補完的な協力を通じ、豊かな長寿社会を実現できるのではないかと思う。

黄 文葦 ジャーナリスト

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こう ぶんい / Kou Buni

日本と中国、日本語と中国語を愛する在日中国人フリージャーナリスト。学校法人白萩学園名誉理事。中国の大学と日本の大学院でマスコミを専攻、日中両国のマスコミの現場を経験。2000年来日以降、日本語と中国語で教育、社会、文化の問題に焦点を当てたコラムを執筆し、両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。19年に電子書籍「日中文談: 在日中国人の日本観(エッセイ)」を出版。20年8月から23年7月までの3年間、日中文化比較のメルマガ「黄文葦の日中楽話」を発行。24年10月、「新中国語から中国の『真実』を見る」(風人社)を出版。

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