「月額4万7000円~」「温泉付き」… 中国の《最先端・老人ホーム》を訪問して驚いた 「高齢者向け施設」に問われる"質"と"あり方"とは

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福州市の「奥座敷」と称される晋安区・桂湖。そこには、まさに“森林リゾート”と呼ぶにふさわしい養生環境が広がっている。深い山林と澄んだ渓流に抱かれたこの地は、冬は温泉、夏は避暑と、四季を通じて心身を整えてくれる天然の癒やしの場だ。

中国に高齢者施設の数は多いが、本格的な医療機能を備えた施設はまだ新しい。その先駆けとなったのが、この華煦・桂湖頤養センター。福建省初となる官民連携プロジェクトとして、行政と民間企業の福建華栄グループが手を取り合い、高齢者福祉の新たなモデルを築き上げた。

施設は、華煦老人ホーム・華煦温泉療養院・華煦済康病院という3つの独立した運営主体から成り立っている。特徴的なのは、介護・療養・医療という異なる機能を分けつつも、互いを深く結び合わせている点だ。ここでは「介護」にとどまらず、慢性疾患のリハビリや温泉療法、さらにはエコ農業や文化交流までもが、日々の暮らしとして自然に息づいている。

施設は19年6月に開業した。総投資額1億5000万元(約33億円)、全600床という規模を誇るこの施設は、24時間稼働のAI見守りシステムを備え、自立から全介護まであらゆる状況に寄り添う準備を整えているという。

86歳の入居者に話を聞いた

中国の老人ホーム
広大な敷地には緑が広がり、見晴らしもいい(写真:筆者撮影)

華煦済康病院の病棟に足を踏み入れると、そこには強固な支えの輪があった。入院する高齢者一人ひとりに、主治医、看護師、そして介護スタッフが専任として寄り添う。内科や漢方科、リハビリ科、さらには精神科までを備えたこの場所は、医療と介護を1つに溶け込ませる。

施設で生活を送るLさん(86歳)を訪ねた。車椅子で生活する彼は、パーキンソン病や糖尿病と向き合って5年になるという。彼の日常を支える介護スタッフは、すべて病院が直接育成・研修を担っている。

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