冒頭に記した通り、筆者もかつては海外の鉄道にあまり興味を持っていなかった。だが、友人に誘われるかたちで初めて海外へと行き、各地の鉄道を乗り歩くうちに、その楽しさに目覚めた。
きっかけは日本の中古鉄道車両だったのだが、風景はもちろん鉄道のシステムの様々な違い(運行システムから車両のデザインまで)、列車の乗り方(きっぷの買い方や「開きっぱなしの扉から乗り降りする」というカルチャー)、そして「窓を開けて旅を楽しむ」という解放感……そのどれもが日本にはない、あるいはもうほとんど体験できなくなったものであり、鉄道趣味の広さと奥深さを改めて感じた。
海外だからこそ体験できる鉄道旅
日本では絶滅寸前の夜行列車も、海外ではまだ乗ることができる。ヨーロッパでは最新の設備を備えた寝台車があるし、タイでは日本のブルートレイン車両が今なお現役だ。東南アジアであれば日本から飛行機で数時間と、それほど遠くはない。少しだけ高いハードルを越えれば、そこには新たな楽しみが待っている。
今回、「この日のためにパスポートを取得した」という参加者が何人もいた。日本では引退した車両にタイで乗れるという話を聞き、ぜひ参加したいと思ったそうだ。「この貸し切り列車のおかげで、自分の世界が広がりました」という声を聞いて、実現までの苦労が報われた気がした。
