タイで開催「日本製中古車両」乗り鉄ツアーの裏側 日本人120人が集結、"鉄道旅の面白さ"を再認識

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冒頭に記した通り、筆者もかつては海外の鉄道にあまり興味を持っていなかった。だが、友人に誘われるかたちで初めて海外へと行き、各地の鉄道を乗り歩くうちに、その楽しさに目覚めた。

きっかけは日本の中古鉄道車両だったのだが、風景はもちろん鉄道のシステムの様々な違い(運行システムから車両のデザインまで)、列車の乗り方(きっぷの買い方や「開きっぱなしの扉から乗り降りする」というカルチャー)、そして「窓を開けて旅を楽しむ」という解放感……そのどれもが日本にはない、あるいはもうほとんど体験できなくなったものであり、鉄道趣味の広さと奥深さを改めて感じた。

タイ国鉄 14系 ロイヤルブラッサム パーサック・チョンラシットダム湖上橋
パーサック・チョンラシットダム湖上橋を走る「ロイヤルブロッサム」(撮影:伊原薫)
【写真をすべて見る】タイで“第二の人生”を送る日本製中古車両を貸し切ったツアー当日の様子。はるばる北海道からやって来た国鉄型特急車両「キハ183系」や、「14系客車」を改造した豪華列車がタイを代表する観光路線を走る

海外だからこそ体験できる鉄道旅

日本では絶滅寸前の夜行列車も、海外ではまだ乗ることができる。ヨーロッパでは最新の設備を備えた寝台車があるし、タイでは日本のブルートレイン車両が今なお現役だ。東南アジアであれば日本から飛行機で数時間と、それほど遠くはない。少しだけ高いハードルを越えれば、そこには新たな楽しみが待っている。

今回、「この日のためにパスポートを取得した」という参加者が何人もいた。日本では引退した車両にタイで乗れるという話を聞き、ぜひ参加したいと思ったそうだ。「この貸し切り列車のおかげで、自分の世界が広がりました」という声を聞いて、実現までの苦労が報われた気がした。

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伊原 薫 鉄道ライター

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いはら かおる / Kaoru Ihara

大阪府生まれ。京都大学交通政策研究ユニット・都市交通政策技術者。大阪在住の鉄道ライターとして、鉄道雑誌やWebなどで幅広く執筆するほか、講演やテレビ出演・監修なども行う。

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