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「英語に翻訳し、世界に発信」 朝ドラ「ばけばけ」小泉八雲が怪談『水飴を買う女』に付け足した1行

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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松野トキのモデルである小泉セツは、子どもの騒ぎはもちろん、廊下の足音や戸を開ける音まで、ハーンの耳になるべく入れないように細心の注意を払っていた。のちに「少しでも、その苦心を乱すような事がありますと、当人は大層な苦痛を感じますので」と振り返っている。

ドラマでは「はたしてこの2人が本当に結ばれるのだろうか?」と不安になるくらい、仲睦まじい様子からは程遠いトキとヘブン先生だったが「怪談」が2人を急接近させた。

ハーンは怪談を“実際に話してもらうこと”にこだわった

お祓いをしてもらった大雄寺の住職から『水飴を買う女』の話を聴いたのが、ヘブン先生が怪談に夢中になったきっかけである。

トキはもともと怪談が大好きだったので、「スバラシイカイダン」「カイダンモットホシイ」というヘブン先生の願いを叶えるべく、夜な夜な怪談を語って聞かせることになった。

ドラマでは、トキが怪談の本を読もうとして、ヘブン先生から止められて「アナタノ話、アナタノ考エ、アナタノ言葉デナケレバイケマセン」と言われるシーンがあった。

そこでトキは自分なりの言葉で怪談を語るようになるのだが、これは実際にあったやりとりのようだ。小泉セツが次のように回想している。

「私が本を見ながら話しますと『本を見る、いけません。ただあなたの話、あなたの言葉、あなたの考でなければ、いけません』と申します故、自分の物にしてしまっていなければなりませんから、夢にまで見るようになって参りました」

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【怪談を通して魂の交流を深めた】

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