「トイレを連想」「衛生面が気になる」との声も…。おしゃれドーナツ店「I'm donut?」が陳列方法めぐり炎上、その要因と取るべき対策
——と、ここまで店舗の肩を持ってきたが、どこか違和感が拭えない。こうした事案は、「問題視された時点で、ある程度の方向性が決まっている」のだ。どれだけ正当性を主張しても、後付けの理由にしかならず、小手先の反論と受け取られてしまう。ビジネスにおいては、提供側の想いよりも消費者の感想が正義であって、「そりゃそうだよね」という納得感がないと、なかなか理解はされにくい。
SNS時代に必要となる「2次元での見え方」への意識
その上で、違和感の正体を考えてみると、おそらく「トータルコーディネートの不足」なのではないか。コンセプトありきは良いが、それを現実に落とし込んだ時に、ブランドイメージの向上につながらない見せ方になってしまっているように感じるのだ。
具体的に説明すると、まずは「どう見えるか」だ。SNSにおける画像は、基本的に平面的に扱われがちであると意識する必要がある。どれだけ臨場感ある立体的なレイアウトであっても、一般ユーザーの写真では伝わりにくい。
“引き”の画角であれば映える造形でも、ズームすると全体像が見えず、パーツのみが目に入ってくる。運営サイドが「キューブの組み合わせ」を意図していたにもかかわらず、陳列部分をクローズアップしたSNS投稿では、うまくその辺りが伝わらなかったのも、こうしたSNS画像の特性が関係しているはずだ。
そもそも店舗(リアル空間)とSNS(仮想空間)は、まったく別の次元にある存在である。どこを写真に撮っても「一面的な切り抜き」になってしまい、誤った評価を受けかねないのだ。
だからこそ、運営側は「いかに多面的に見せるか」に腐心する。それが写真や映像などのビジュアル面なのか、柱となるストーリーなのか、賞や著名人などの権威的存在なのか。そこは店によるだろうが、いずれにせよ「いかに2次元に肉付けして、3次元的に変えていくか」がカギとなる。
加えて、疑問を呈した投稿者と、そのポストを通して知ったユーザーでも、「見え方」は異なる。立体的に見て感じた印象が、平面的に伝えられることで、よりバイアスがかかっていく。そのギャップを意識していなかった点は、店舗側の配慮不足だろう。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら