無双し続ける《指原莉乃》異端から王道極めた凄み CM出演、番組MC、アイドルグループのプロデューサー、作詞まで…
翌13年の選抜総選挙では、ついに1位。このとき初のセンターを務めたシングル曲があの「恋するフォーチュンクッキー」。ミリオンセラーを記録し、オリコン年間シングルチャートで第2位となっただけでなく、振り付けの「踊ってみた動画」がバズるなど一大ブームを巻き起こしたのはよく知られる通りだ。
そして15年からは、選抜総選挙を3連覇。下剋上する側だったはずの指原莉乃は、いつしか王道を行く存在になった。アイドルの歴史のなかで同様のことがほかにもなかったわけではないが、これほど劇的なサクセスストーリーもあまりない。
指原莉乃がMCとして活躍できる理由
異端な活躍ぶりは、グループ卒業後も続いた。
19年4月のグループ卒業後、指原はソロのタレントとして活動をスタートさせた。グループアイドル卒業後の進路は俳優や歌手が相場。タレントへの転身例もなくはないが、超人気グループのセンターまで務めたアイドルがタレント業に専念するのは珍しいだろう。
だがいまや、タレントとしてもバラエティ番組のMCを数多く務めるなど確実に成功を収めている。
現在に限っても、『坂上&指原のつぶれない店』(TBSテレビ系)、『トークィーンズ』(フジテレビ系)、『キッチンカー大作戦!』(テレビ朝日系)と3つの番組のMCだ。さらに来年元日に放送される往年の人気番組『なるほど!ザ・ワールド』の復活版『有吉弘行の超なるほど!ザ・ワールド』(フジテレビ系)でも有吉弘行とともにMCを務める。
タレント・指原莉乃の特徴を一言で言えば、「タレントらしくない」ということだろう。
バラエティを中心に活動するタレントの多くは、「前へ、前へ」という姿勢が強くなる。自分をアピールするために個性的なキャラを積極的に演じ、爪痕を残そうとする。つまり、貪欲であることが基本だ。
ところが、指原は真逆だ。取り立ててキャラをつくるわけではないし、また爪痕を残すことにも無頓着に見える。だが、そうかと言ってやる気がないわけではない。ほどよく脱力しつつ、周囲のやり取りを見ながら時に芯を食った一言を発して感心させる。その点、確かに現在のMCというポジションが向いていると言える。
指原莉乃のこうした特徴は、アイドルプロデューサーとしての適性にも通じる。俯瞰する視点に立ち、演者の面白さや魅力を発見して際立たせるという意味では同じだからだ。
指原が、芸能界入り前からモーニング娘。をはじめとするハロー!プロジェクトの熱狂的ファンだったことは有名だ。HKT48在籍時の12年にも「指原莉乃プロデュース 第1回ゆび祭り~アイドル臨時総会~」というアイドルライブイベント(本人以外に、乃木坂46、ももいろクローバーZ、Buono!などが出演)を日本武道館で開催して成功させるなど、すでに優れたプロデューサーの片鱗を見せていた。


















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