【キーマンズ・インタビュー】アジアトップを目指すイオンの人材戦略--入井啓之・イオングループ人事戦略チームリーダーに聞く
アジアでの店舗展開でも、グローバルとローカル(地域密着)が融合した「グローカル」が基本的な考え方だ。1996年にイオンマレーシアがクアラルンプール市場に上場したが、社長は現地の人であり、同じく上場企業であるイオンストアーズ香港の社長も現地の人だ。
また、イオンは100社が合併して成長してきた会社だ。人事理念として、昔から国籍、性別、年齢、出身企業を問わない機会均等の伝統を持っている。アジアにおいても、その伝統は脈々と生きており、「アジア連邦制経営」を目指している。従業員の国籍は異なるが、基本理念を共有するイオンピープルだ。
--2020年にアジアナンバー1の小売事業会社になる頃には、従業員数も膨大になると思います。見通しを教えてください。
現在の国内外従業員数は35万人であり、海外の従業員数は約3万人だ。8年後の2020年度には総従業員数は倍以上になり、非日本人比率は4割を超えるだろう。
いま、日本本社、中国本社、そしてマレーシア、タイ、ベトナムを担当するアセアン本社の3つの本社体制づくりを行っている。グループ共通の社内言語は決めず、それぞれの本社でお客さまが使われている言語を使ってコミュニケーションをとるようにしている。
--国内だけでなく、海外での採用が重要になりますが、どのような施策を進めていますか?
まず言っておきたいのはイオンの採用は、新卒のみを対象とするものではないということだ。国内の採用では、結果的に新卒学生が多いが、われわれは「若者採用」と言っている。先ほども話したように国籍、性別、年齢は問わず、「自分が若者」と思う人はすべて選考の対象としている。