自由求め、新境地へ。壁に直面し、組織へ。ミドル世代のフリーランス増加、「選択」のその先は
組織から離れ、フリーランスとして働くミドルが増えている。なぜ今、フリーランスなのか。自由や裁量と引き換えに、直面する現実は。
新境地に踏み出した人とギャップを感じ会社員に戻った人、選択の理由と現在地を聞いた。AERA 2025年12月15日号より。
ビジネス系出版社からフリー編集者へ
親子で地方に短期滞在し、働きながら地元の人と交流する親子ワーケーション。その情報を集めたサイト「親子deワーケーション」を運営するのが、児玉真悠子さん(45)だ。
もとはビジネス系出版社の編集者。著者と二人三脚で本を作る仕事にやりがいはあった。だが、急性肝炎で2週間の療養をし、「命を削ってまで働く意味はあるのか」と立ち止まった。
その後、28歳で長男を出産。夫の帰宅は深夜でワンオペ育児が続き、体力の限界から、2014年に退職した。
編集の仕事をやめる気はなかった。社会起業の翻訳書を編集した際、「良い事例を紹介することが社会を変える」とメディアの役割を説く一節に惹かれた。
「書籍に限らず、自分が望む社会を発信したい」と思うようになった。
最初の仕事は食品カタログの編集。「書籍以外の編集がとにかく楽しかった」。企業のオウンドメディアやアプリなど、媒体もテーマも次第に広がった。



















