特急スペーシアが「台北駅前に出現」、東武の狙い 「黄金」に輝く先頭車、台湾の市街地を深夜に輸送

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東武鉄道の山内朋彦台北事務所長によると、今回の企画のきっかけは「1年ほど前の社内の雑談レベル」だったという。「友好鉄道協定10周年で何か企画をやれないか、100系のトップナンバー車両の保存場所をどうするか、という2つの課題がマッチして、2025年の年明けに台鉄さんに相談した」と経緯を明かす。

そのうえで「1年という短期間でここまで進められたのは感無量。台北には台鉄の工場跡地を活用した鉄道博物館などもあり、文化遺産を大切に残す土地柄なので、100系スペーシアにも親しみを持ってもらえるのではないか」と語った。

東武鉄道 台北事務所長
東武鉄道の山内朋彦台北事務所長。今回の企画のきっかけは「社内の雑談レベル」だったという(記者撮影)

東武の担当者は「感無量」と口を揃える

同社車両部の川鍋信之さんは「台鉄さん側は『やはりゴールドスペーシア(日光詣)の色がいい』とのことで、廃車になった車両を塗装し直すために北館林にある解体工場から一度、南栗橋の車両工場に回送するところから始まった。本来の6両固定編成ではなくなっていたので回送の準備はけっこう大変だった」と振り返る。

南栗橋の工場では2025年9月下旬から11月上旬にかけて、塗装のほか、内装も座席のモケットやじゅうたんを新しく張り替えるなどした。LED化されていた側面の行き先表示器も展示場所で見やすいように幕式に戻した。

川鍋さんも「設置が終わって感無量」といい、「展示を通じて台湾のたくさんの方々に『日本で東武鉄道の特急に乗ってみたい』と思ってもらいたい」と話していた。

東武鉄道車両部 川鍋氏
東武鉄道車両部の川鍋信之さんも「感無量」と話していた(記者撮影)
【写真を見る】一夜明けた台北駅。いつも通り人通りは多いが、駅前に出現した「黄金列車」が存在感を放っていた
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