特急スペーシアが「台北駅前に出現」、東武の狙い 「黄金」に輝く先頭車、台湾の市街地を深夜に輸送

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東武鉄道は2015年12月18日、台湾全土で在来線を運営する国営台湾鉄路股份有限公司(台鉄、当時は台湾鉄路管理局)との友好鉄道協定を締結。今回、10周年を記念して、廃車となった100系スペーシアの先頭車が展示されることになった。2025年12月18日には日台双方の代表者らが出席して展示車両前で10周年の記念式典を開催した。

台北駅は台鉄のほか、日本でも“台湾新幹線”で知られる台湾高速鉄道、地下鉄などを運営する台北捷運(MRT)、空港アクセス鉄道の桃園大衆捷運(桃園空港MRT)の各路線が乗り入れる。

いずれもホームは地下にあるため、地上には台鉄の本部も入る巨大な駅舎だけが建っている。100系スペーシアが展示されるのは駅舎の東側にある広場。東武鉄道によると、所有権は同社のままで、メンテナンスも同社が担うという。

台北駅前 東武スペーシア
設置作業から一夜明け台北駅の駅前風景は一変。早くも地元の人々の注目を集めていた(記者撮影)

トップナンバー車両を展示

100系スペーシアは1990年、1720系「デラックスロマンスカー」の後継として登場した。6両編成のうち、浅草方の先頭6号車は4人用個室が6部屋並ぶ「コンパートメント」の専用車両。普通車も当時のJRのグリーン車に匹敵するシートピッチ1100mmの回転式リクライニングシートを配置した。

車体は東武初のアルミニウム合金で製造したほか、有料座席特急の営業列車では国内で初めてというVVVFインバータ制御を採用。新鹿沼以北の急勾配を克服するため交流モーターを6両すべてに搭載する全電動車とした。

本来の外観は「ジャスミンホワイト」を基調として「パープルルビーレッド」と「サニーコーラルオレンジ」のラインが入ったカラーリング。最近は「いちごスペーシア」(109編成)などの企画でさまざまな車体色をまとって話題を呼んできた。

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