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三菱電機、新開発の「駅アプリ」が狙う大きな目標 意外になかった「駅起点の情報」全国の鉄道が参加

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「謎のプラットフォームですよね」。エキノート開発メンバーの1人、三菱電機統合デザイン研究所ソリューションデザイン部シニアエキスパートの中村大輔さんは開口一番、こう述べた。「いろいろな側面があり、複合的な価値を持つアプリなのです」。

エンドユーザー目線では街のガイドブック的なアプリであるが、一方で、地域振興を目指す法人向けの側面があるという。パートナーとして鉄道各社が参加していることはすでに述べたが、自治体の観光協会、高校・大学なども名を連ねており、パートナーの数はおよそ80に及ぶ。

駅名で検索すると、パートナーのウェブサイトとのリンクのほか、パートナーが投稿した写真や文章も閲覧できる。将来はMaaSなどとの連携も構想しており、「ありとあらゆるアプリやウェブと仲良くしていきたい」と中村さんは意気込む。

発端は「広電」とのやりとり

エキノートの開発が始まったのは2021年春頃のことだ。統合デザイン研究所はあらゆるメーカーの家電製品の取り扱い説明書を一元管理するアプリに携わったことがあり、そのノウハウを生かして、駅を切り口とした生活便利アプリを作ろうと考えていた。

そんな中、三菱電機の中国支社と広島電鉄の担当者の会話の中で「例のアレ、使えませんかね」と話題になった。広電は独自の情報発信ツールを作りたいと考えていたが、アプリをゼロから開発するとなると多額のコストがかかる。そこで中村さんたちの開発しているアプリに目をつけたのだ。

「このアプリには約9100駅の情報が入っているが広電の駅は78駅しかない。9100分の78では、広電の情報を発信しても埋没してしまうのではないか」。三菱電機サイドはこんな懸念を持ったという。

しかし、広電は県民しか使わないアプリを開発するよりも、三菱電機のアプリを使って全国に広島の魅力を発信するほうが得策と考えた。「このアイデアが、エキノートのコンセプトに大きな影響を与えてくれた」と中村さんが話す。一般消費者向けのアプリに、地域振興のための情報発信ツールという側面が加わった。

広島電鉄八丁堀駅の「ekinote」アプリ画面(記者撮影)
【写真を見る】三菱電機、新開発の「駅アプリ」が狙う大きな目標 意外になかった「駅起点の情報」全国の鉄道が参加(5枚)

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【江ノ電や湘南モノレールも参加】

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