AIに「厳しくレビューして」と頼むのが、実は『一番の甘え』である理由

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最近は「AIに指摘してもらえばいいんじゃないですか?」と言う人もいます。それはそれで役に立つのですが、AIに指摘されるだけでは足りません。

AIに指摘をもらうのは、便利ですし、的確なことも言ってくれます。私も自分で書いた文章に対してAIに「厳しくレビューして」と言ってフィードバックをもらっていますし、どんどん使ったほうがいいと思います。

ただ、「AIに指摘をもらえば、人にわざわざ指摘をもらわなくていい」というのは、完全に誤りです

AIは、あなたが指摘を依頼したことについてしか、指摘してくれません。録音されていない会議でのふるまいや、AIに渡していない資料について指摘してくれるわけではないのです。

つまりは、「あなたが指摘をもらうべきと思っていることにしか指摘してくれない」ということです。これでは、すでに自分でもわかっていることしか指摘してくれません。

また、AIにはすべての前提情報がインプットされているわけではありません。会議に出ている人の役職、経歴、性格など、AIが知らない情報も多々あります。そういった背景を踏まえていない指摘だけでは、レビュー不足にもなります。

つまり、人間にしかない経験知に基づいた指摘は、人間にしかできないということです。AIに指摘してもらうのは便利だし、効果的でもありますが、それで万事OKというわけではないことは理解しておきましょう。

人からの指摘こそが、AIにはない経験知を溜める秘訣

指摘を受けずに仕事をしていると、「自分が正しいと思っている範囲」のなかでしか考えなくなります。その結果、思考の偏りや論点の抜けに気づけないまま、ズレたアウトプットを正しいと信じてしまうことになりかねません。

だからこそ、「自分の視点では見えないものを、他人の目で見てもらう」ことが、今後ますます重要になってきます

指摘ウェルカムな姿勢こそが、AIにはない自分だけの経験知を圧倒的なスピードで溜めることにつながるのです。

三浦 慶介 株式会社グロースドライバー代表取締役社長

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みうら けいすけ / Keisuke Miura

1983年生まれ。一橋大学法学部卒業。サイバーエージェント、リヴァンプ、グロース上場企業スパイダープラスのCMOを経て2025年に独立。ゲーム・小売・飲食・教育・建設Techなど幅広い業界で事業成長を牽引。会員数150万を超えるヒットゲームの開発、数百万人が利用するCRMアプリの企画・開発、年間数十億円を運用するマーケティングチームの内製化、1年で生産性を160%改善する営業改革など、業種・業界を問わない事業成果を実現。現在は「AI時代の人材育成×事業戦略」を専門に、事業成長の伴走支援と知見の体系化に取り組む。著書に『AI時代に仕事と呼べるもの』(東洋経済新報社)がある。

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