AI時代に生き残るための「3つのポジション」。マネージャー、スペシャリスト、そしてもう1つは?
マネジメントの本質は「顧客への価値を実現するために、組織を最適化すること」です。人の管理やコミュニケーション、タスク管理などはすべて手段であり、目的は顧客価値です。スペシャリストも同様に、顧客価値を目的として専門性を発揮する仕事です。
よって、事業を牽引するためには、顧客価値から逆算してマネジメントや専門性の発揮をする必要があり、マーケティング力が根幹になるのです。そして、顧客の価値を実現するために、あらゆる障壁を乗り越えて事業を動かす人材。ここではそれを「事業人材」と呼んでいます。
こうした事業人材は、マネージャーやスペシャリストの項で紹介してきたようなAI活用のあらゆる知見を、事業単位でフルスケールに活用できるという点で圧倒的に強い存在です。
なぜかというと、単に業務を効率化するだけでなく、AIを使って事業そのものの構造を変えることができる、いわば「AIトランスフォーメーション」の実現ができるからです。
AI時代における戦略・組織・教育・KPI設計をまたいだ事業変革を、自ら設計し、自ら実行するというイメージです。これができるのが、事業人材の真の価値であり、AI時代に最も求められるポジションです。
事業人材を目指すために
こう書くと、「そんなポジションを目指すのは、あまりに大変すぎる」と感じるでしょうか? ただ、AI時代だからこそ事業人材を目指すチャンスが拡大しています。
今はAIというツールの登場によって、未経験の領域にもスピーディーにチャレンジできる時代になりました。昔なら数年かかったであろう経験やプロジェクト推進を、数カ月でやり切ることも可能になっています。
だからこそ、事業人材を目指すハードルは、実はこれまでよりも低くなっているのです。チャンスをつかめるかどうかは、意志と行動にかかっています。
大きな事業の推進経験や、特殊な経験を積まなければ事業人材と呼べないわけではありません。小さな案件でも責任をもって進め、創意工夫を通じて成果を出したなら、それも立派な事業人材の仕事だと言えます。
「少しでも高い視座で事業のことを考えて動く」「小さな事業だけれど、責任をもって推進する」といった経験知を積みながら、自分なりに少しずつできることを増やしていくことが、事業を担う人材として重要なのです。
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