急増する飲食店の《セルフオーダー》、「サイゼリヤはOK」「客のリソースにタダ乗り」の声も…あり・なし論争の前に考えるべき"根本的な問題"

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そもそも、近代のサービス業の始まりからして、「客のリソースのタダ乗り現象」は起こっていた。

1950年代に生まれた「セルフ式スーパー」という大発明

それが、セルフ式スーパーマーケットの誕生である。我々が普通だと思っている「自分で商品を選び、自分でレジに持っていく」方式のスーパーだ。

これがはじめて導入されたのは、1953年、紀ノ国屋というスーパーだった。それまでの商業施設では、販売員がすべての商品管理を行い、客は「待っていればよい」というスタイルだった。いわゆる、「対面販売」である。

そこに登場したセルフ方式は、棚まで歩いて商品を探し、自分で選ぶ。つまり、人件費の代わりに「客が歩く」という身体的リソースを使う「発明」である。これによって効率的な経営が可能になり、店舗の大量出店、そして顧客の大量消費が可能になったわけだ。

その方式は、その後のコンビニエンスストアやさまざまな小売店での「スタンダード」となり、今や私たちはそれを疑うことすらなくなった。

その意味でサービス業の歴史は一貫して、「客の身体」と「客の時間」を活用しながら、コストを削り、効率化し、低価格を実現するプロセスをたどってきたといえる。つまり、スマホ注文は、サービス業の進化の上で起きている必然的な現象である。

ならば、これまで以上に物価上昇や人件費高騰が続く中で、「客のリソースを活用する」流れがなくなるとは考えにくい。むしろ、サービス業はますます高度に、巧妙に、その設計を洗練させていくだろう。

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