谷根千エリアの名所「夕やけだんだん」に異変、7階建て分譲マンションと6階建て賃貸マンションが遮って「夕焼けはもう見えなくなった」の声
美しい夕焼けの名所として知られる東京都荒川区西日暮里の階段坂「夕やけだんだん」。その隣でマンションの建設が進み、かつての景観を楽しめなくなっている。観光客が多く訪れる「谷根千(谷中・根津・千駄木)エリア」の人気スポットだけに、地元住民からは惜しむ声も聞かれる。(石井恭平)
「前に来た時はきれいな夕焼けが見えたのに……」。3日夕、友人3人と夕やけだんだんを訪れた横浜市の60歳代女性が、建設中のマンションの日陰となった坂の上で肩を落とした。
夕やけだんだんは、JR日暮里駅から西に延びる道路上にあり、荒川区によると、1990年に公募で愛称が決まった。階段の下には荒川、台東両区にまたがる「谷中銀座商店街」が続き、坂の上からレトロな町並みを眺めながら夕焼けを望める場所として親しまれてきた。荒川区も区ホームページで観光スポットとして紹介している。
だが、昨年から階段の隣では7階建て分譲マンションと6階建て賃貸マンションの2棟の建設が進められており、今は以前のような夕焼けの景色を望めない。
荒川区によると、2棟の建築主の業者はいずれも区条例に基づき、地元住民や商店主らを集めた説明会を開催。地域の要望を踏まえて階数を減らし、電柱の位置をずらすなど建築計画を一部修正した上で工事を始めた。法令上の問題は確認されていないという。



















