英語が得意だった私が「トイレ」で大恥をかいたまさかの事態 「bathroom」「restroom」「toilet」の違いは"画像検索"してみるとよくわかる
それはさておき、フランス人が英語を話すときはこのfalse-friendを意識しておけばいい。もっと言えば、たとえ間違ったとしても、フランス語を学びに来ている英語圏の人がfalse-friendと気づく可能性も高い。アジアの諸言語を母語とする者が英語やフランス語を学び、使いこなすまでの道のりとはだいぶ話が異なるのだ。
かくして困難はさまざまあるのだが、ネットの台頭がわれわれの外国語学習の手法を広げ、よりシンプルに障壁を乗り越えるのに役立っているのは確かである。
画像検索を使った学習法が有効
たとえば、英語学習者がつまずく問題はひとつに「似た単語の使い分けがわからない」というのがある。そんなときには、画像検索を使った学習法がたいへん有効だ。
「予約」を例に見てみよう。「appointment」と「reservation」は、どちらも日本語では「予約」と訳される。この2つをGoogle画像検索にかけて比べてみる。すると、前者には医師や弁護士との面談風景が多く表示され、後者はレストランやホテルの席の写真が並ぶ。つまり、同じ「予約」でも使う場面がまったく異なることが一目で理解できるのである。
もうひとつ例を挙げよう。「トイレ」だ。海外旅行に行く前、現地の言葉でトイレの場所を尋ねられるようにしておこうと思ったことのあるひとは、少なくないのではないだろうか。
日本語的な発想でつい「toilet」と言ってしまいたくなるところだが、子ども時代に拾い読んだ英語本に書いてあった。「toiletは便器やトイレのある空間のこと。直接的過ぎるので、restroomというのがスマートです」。たしか、そんな説明だったと思う。
そう信じて幾星霜。ある日、お招きいただいたお宅で「restroomはどちらですか?」と尋ねると「ああ、bathroomね」と返された。ホストは決してわたしに恥をかかせようとしたわけでなく、自然に出た一言だったと思う。しかし、用を足しに行くこと自体をさりげなくしておきたいのが人情というもの。このワンクッションは少々居心地が悪かった。
これを同様に画像検索してみる。すると、「bathroom」は家庭の浴室やユニットバス(風呂+トイレ)、「restroom」はショッピングセンターなど公共施設のトイレが多く表示される。こうして“単語と場面”を結びつけて覚えると、記憶が格段に定着しやすいものだ。
一方、ネット検索は便利だがちょっと工夫が必要な場合もある。例えば、“look” “see” “watch”といった一般的な動詞がそれだ。商品名など膨大な数がヒットしてしまい、かえってわかりづらい。
そんなときには、“単語+場面”で検索する方法をおすすめしたい。“observe a bird”、“glance at the clock”、“watch a football match”といった具合である。こうすれば、「誰が」「何を」「どんな意図で」見ているかが可視化され、微妙なニュアンスの違いもぐっとつかみやすい。
文字や訳語だけに頼らない視覚的な学習は、理解のスピードと定着率を確実に高めてくれるのが何となく想像できたのではないだろうか。
自信を持って言葉を使い分けられるということは、その言語の世界で自由を得ること、より一層自分らしく表現して生きられるということを意味する。身近なネットを活用して、英語の自由を手にする一歩に役立ててほしい。
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