東京スカイツリー効果で「モノづくり」復権狙う東京・墨田区

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中小製造業の振興に、墨田区は手を打ってきた。後継者の育成プロジェクト「フロンティアすみだ塾」を立ち上げたほか、「すみだ地域ブランド戦略」では、中小製造業が下請けから脱せるよう自社ブランド製品を造るのを後押し。観光協会も、地元企業の紹介映像を制作するなど、「製造現場の見える化」を推進してきた。

というのも、「大田区には精密機械などの下請け企業が多いのに対し、墨田区には生活関連の町工場が多い」(同区役所の鹿島田和宏・産業経済課長)。それだけに、地元ブランド品のファンを増やせば、中小製造業の直接的な支援につながる可能性がある。

約300店舗あるツリーの商業施設の1つに墨田区観光協会が運営する「すみだまち処」がある。そこでは地元ブランド品の販売と並び、地場産業を巡る観光コースなどを紹介している。「観光客がツリー内で完結せず、区内のモノづくりの現場に足を運んでくれれば」(同協会の小川幸男事務局長)。

地元のTシャツメーカー、久米繊維工業の久米信行社長は、「中小製造業を巡る町歩き観光を盛り上げたい」と意気込む。ツリー観光の盛り上がりが、モノづくり復権の後押しとなるか。

(許斐健太 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2012年5月26日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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