日本経済の明るい未来の作り方はどうすればいいのか? それは「圧倒的世界一」になっている日本競馬の大成功がすべてを教えてくれる

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1レース当たりの賞金で見るとさらに差は広がり、日本5万9000ユーロ、米国2万3000ユーロ、オーストラリア2万4000ユーロ、イギリスは2万ユーロである。日本の特徴は、JRAの下級条件のレースの賞金が高いことだ(例えば最下級の未勝利戦でも1着賞金は560万円。9着までは着順に応じて賞金が払われ、それとは別にすべての出走馬に、特別出走手当が52万円以上ずつ支払われる)。

ほかの国は超高額賞金レースこそ高くそれが平均を押し上げているが、日本はまんべんなく賞金が高く、その意味では、馬主や調教師などにとって、非常にありがたい国であると言える。

生産も日本以外の先進国はアイルランド除き難しい状況

一方、テレビドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」で一般の人々にもがぜん注目を浴びている3つ目の生産者の世界であるが、生産頭数は、2024年の統計では、1位米国1万6750頭、2位オーストラリア1万2362頭、3位がアイルランド8887頭、4位日本7925頭(サラブレッドのみ)となっている。

イギリスは4198頭、フランスは4852頭であり、アイルランドが欧州では圧倒的に多い(他で多いのは、アルゼンチンで2019年の統計だが6256頭。ただし、経済の悪化で2010年代から大幅減少を続けている)。

その他の欧州はアイルランドを除き各国とも確実に減少傾向にあり、米国は微減、オーストラリアは横ばい、その中で、日本は着実に増加している。アイルランドで盛んなのは、過去の税制優遇もあり、有力な生産牧場が拠点をアイルランドに置いたことも大きいが、それが持続的であるのは、何といってもアイルランドの人件費が英仏などにくらべて低いことがある。

以前から(現在でも)、生産をイギリスで行っても、育成や調教はアイルランドで行うのが一般的なのは、この理由が大きい。馬を育てることは、人手をかけることそのものであり、人件費がもっとも重要なのである。

欧州における生産の衰退は、欧州経済の衰退が背景にあるが、直接的には、馬主層としての貴族(的な人々)の継続的減少である。近年、欧州貴族に代わってオイルマネーが欧州競馬を支えてきたが、中東では、ドバイ(UAE)、サウジアラビアでは競馬の自国開催により、観光収入を増加させ、競馬観光産業(エンターテイメント・ギャンブルによる観光産業)の育成を目指しており(そもそもサラブレッド発祥の地でもある。

ただし宗教的にギャンブルは禁じられており、馬券の発売はない)、競走馬の生産・購入・育成も欧州だけでなく、日本などへ産地を分散させている。

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