「人は離れていくのが自然」ーー。韓国ネット書店ブックオブザイヤーを獲得した76歳主婦が達観、人生後半は"軽やかな"人間関係がオススメ
だから、知り合いの家を訪ねることも極端に減ったのに、家のインテリアにかける情熱はそれに逆行しているのがちょっと理解できない。
私は人類に貢献しようとか、他人の発展のために努力しようという人間を信用しない。これ以上発展すると地球が壊れてしまうと思うからだ。誰も彼もいい気になって、自分にとってプラスになる方向を目指して生きてきた。
その過程で、たまたま人類の役に立つこともあったかもしれないが、結局のところ、自分の力量に見合った範囲で生きてきただけだと思う。
それなのに誰もが、「野心を持て」、あるいは「夢見る者が成功する」、最近の若者言葉で言う「充実した人生を送るのだ」などと、相変わらず人生を華やかに彩ってくれるキャリアを重ねるのに忙しい。
軽やかに生きてみてはどうだろう
『風の歌を聴け』を書いた頃の村上春樹は、主人公たちが備えるべき要素としてユーモア、親切、自己抑制を挙げていた。この3つは人間の本質に属するものではなく、人工的なものだというわけだ。
人間が本質的に持っている矛盾、自我、恐怖などはすでに内包されているのだからわざわざ書く必要はなく、主人公たちに対してすべてにおいてあまり深刻に考えないこと、すべての事物と自分の間に適当な距離を置くことを要求した。
だから私たちも、人間の持つ否定的な要素はしばし脇に追いやり、ユーモアと親切、自己抑制を胸に、軽やかに生きてみてはどうだろう。深刻なこともすべて、いつかは過ぎてゆくのだから。
98歳で他界した中国の大学者、季羨林(きせんりん)が95歳で書いた『すべては過ぎゆく』〔ホ・ユヨン訳、収穫畑、2009年、未邦訳〕という本がある。タイトルは陶淵明(とうえんめい)の詩からとったそうだ。
季先生は、人類の発展はチェーンのように、一つひとつの環(輪)でつながっている。いかに小さく見えても、それぞれが役割を担い、その責任を果たすことで全体が成り立つのだと言った。
この年になってよくよく考えてみると、すべてのことはすでに過ぎ去り、今過ぎ去っているところで、これからも過ぎてゆく。だから、人間同士の関係にもあまり深刻にならず、楽に構え、互いに柔軟な心で接するのがいいのではないかと思う。
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