「人は離れていくのが自然」ーー。韓国ネット書店ブックオブザイヤーを獲得した76歳主婦が達観、人生後半は"軽やかな"人間関係がオススメ
すべては過ぎゆく
振り返ってみると、これまで築いてきたすべての人間関係が永遠に続かないのは自明のことだ。
昔でこそ、田舎の同じ村で生まれ育ち、ずっとそこに住んだりして、たとえ結婚や就職で都会に出たとしても、ときたま帰ってきて互いの近況ぐらいは聞くことができた。
しかし、今のように皆がバラバラになってしまうと、消息すら聞けなくなることもある。そんななか、今も絶えることなく友達関係を維持しているのは小学生の時の大親友ぐらいだ。
若い頃のご近所さん、職場の同僚、子供を同じ学校に通わせていた保護者同士と、そのときどきで親しく付き合う人がいた。
たとえご近所さんが引っ越しても、引っ越しパーティーに招待されて新しい家に行ったこともあるが、子供が成長して中学、高校と進学したり、仕事を辞めたりして環境が変わると、保護者同士の関係は薄れ、職場の同僚ともだんだん疎遠になる。
なかには、とても気が合って長く付き合っているケースもあるけれど、あまり深入りしすぎると関係は続かない。月日が流れると、いっとき親しかった人の名前や顔もはっきり思い出せなくなり、人間関係というのは思った以上に虚しいものだと感じる。



















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