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若手が「プロジェクトで大きなトラブル」 そのとき有能リーダーが"明るくふるまった"大きな理由

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  • 有川 善久 宇宙航空研究開発機構(JAXA)第一宇宙技術部門 事業推進部 計画マネージャ
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JAXAの研究開発部門など、構造の専門家にも相談し、早くから振動試験のやり直しは不要であろうという見通しを立てていました。そのため、上層部には「安心してください、22形態に変更しても問題ない見込みです」と主張しました。

そうでないと、だいち4号の打上げが後回しになる可能性があったからです。そのように主張しつつ、裏ではメーカーのエンジニアによる解析作業を並行して実施いただきました。結局は、最後全員が納得する形で、このまま打上げができるという合意を得ることができたのです。

初動が大事、ただし慌てない

普段の開発においても、何か問題が発生した時、慌てることなく、まずは落ち着いて状況分析することを心がけていました。初動が大事、ただし慌てない、ということですね。

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問題が発生すると、最初は何が起こったのか、その影響の範囲も分からず、混沌とした状況が続きます。そんな時、プロジェクトマネージャは、自身の持つ力、影響力を自覚するべきでしょう。言葉が仕事道具のようなものです。

まずは落ち着かせること、速報を伝えてくれたことに感謝をすること、全体像をつかむためになるべく多く客観的な情報を抽出すること。

複雑な問題解決には、文脈を正しく理解するための対話力と、経験と論理的な思考から、原因究明に至らせることが重要です。過去にそのような修羅場をくぐった経験が、自信につながります。

ある程度の方向性を定めたら、メンバーを信頼し、更なる対処に向かわせます。そして一人になってから、最悪の事態に備え、あらゆる可能性に思いを巡らせます。

手を動かさないにしても、常に頭を働かせ続けているのが、プロジェクトマネージャであるように思います。

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