乗客増加なぜ続く?「千葉モノレール」社長に聞く 初の年間2000万人突破、今後の課題は「老朽化」

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千葉都市モノレール0系 アーバン・フライヤー
千葉都市モノレールの0形車両。「アーバン・フライヤー」のニックネームがある(筆者撮影)

街路の上空をゆったりと進む2両編成のモノレール。下から見上げると、まるで宙に浮いて走っているようだ。

モノレールといえば東京モノレール羽田空港線に代表される、軌道にまたがって走行する跨座(こざ)型が主流だが、千葉都市モノレールで採用されているのは、かつてフランスのサフェージュ社が開発した懸垂型モノレールであり、世界的にも珍しい乗り物だ。

箱形の外板で覆われた軌道内をゴムタイヤで走行するため風雪に強く、静粛性や登坂力にも優れているとされ、各地の都市へ売り込みが行われた。だが、他都市で公共交通として導入されたのは地下鉄や跨座型モノレールであり、結果的にサフェージュ式が採用されたのは神奈川県の湘南モノレール江の島線(大船―湘南江の島間)と千葉都市モノレール1号線(千葉みなと―県庁前間)、2号線(千葉―千城台間)の2社3路線のみに留まった。

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経営不振から復活、増える利用者

千葉都市モノレールが開業したのは1988年3月。2号線の一部区間(スポーツセンター―千城台間)が先行開業し、残りの区間および1号線が順次延伸開業した。

【図と写真】一時は極度の経営不振に陥ったものの、2024年度は利用者数が過去最多を記録した千葉都市モノレール。利用者数の推移、ビルの谷間や市街地の空中を走る「懸垂型」モノレールの姿、新旧の車両など

だが、莫大な初期投資に加え、利用者の伸び悩みなどから、その後は極度の経営不振に陥り、2006年には産業活力再生特別措置法を活用しながら「累積損失の解消」と「単年度黒字化」を柱とする事業再構築が行われた。そのような過去からすれば驚くべきことだが、2024年度は開業後はじめて年間輸送人員が2000万人を突破し、過去最高を記録したという。

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