乗客増加なぜ続く?「千葉モノレール」社長に聞く 初の年間2000万人突破、今後の課題は「老朽化」
――車両に関してもう1つ気になるのは、サフェージュ式モノレールは国内に2社3路線(千葉都市モノレール2路線と湘南モノレール)しかなく、交換部品の調達コストが割高になっているのではないか。たとえば、湘南モノレールの車両と部品を共通化することなどはできないのか。
割高になっているのは否めない。過去には湘南モノレールと現場レベルで意見交換を実施したこともあるが、同じような部品でも微妙にサイズや設計が違うといったことがあり、共通化は現実的には難しい。仮に次世代車両の検討のタイミングが両社で合うようなことがあれば、車両製造元の三菱重工も含めて検討できるとありがたい。
なお、今後廃車にする予定の1000形も、新しい部品に切り替え済みの部分があると聞いている。そうした部品をストックしておくなどして、コスト低減を図ることも可能だろう。
難工事だった「千葉駅のポイント更新」
――2024年5月に千葉駅のポイント故障で1号線が夕方から終電まで運休した。開業から40年近くが経過し、軌道などの設備も更新や大規模メンテナンスが必要な時期にきているのではないか。
千葉駅のポイントに関しては、2025年11月15日から16日にかけての夜間にポイントの更新工事を行う。具体的にはラインシャフト(回転軸)を交換する。この千葉駅のポイント更新にともない、15日は21時から終電まで1号線を運休する。
(編集部注:インタビューは2025年10月に実施。ポイント更新工事は予定通り11月15~16日に完了した)
――終電から始発までの通常の夜間作業では収まらないほど大変な作業なのか。
千葉駅のポイントは、ビルとビルの間のクレーンが使えない場所に位置しているため交換用の部材をあらかじめポイント近くに搬入しておき、チェーンブロックで吊り上げて交換するという手間のかかる作業となる。そのため21時以降の列車を運休せざるをえないことになった。他駅のポイントはクレーンで部材を吊り上げての交換が可能なため、通常の夜間作業の範囲での作業が可能であり、今回の千葉駅が一番大変な作業になる。
その他、軌道に関してはサビ対策のための再塗装や、駅舎も古くなってきているので配管の交換等も含めた改修が必要になっており、これらを順次、計画的に進めていく。なお、千葉都市モノレールの施設のうち、軌道や駅舎設備、変電所などは千葉市の所有となっているため、メンテナンスは市の予算・計画にしたがって行う。



















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