乗客増加なぜ続く?「千葉モノレール」社長に聞く 初の年間2000万人突破、今後の課題は「老朽化」
――2025年3月にダイヤ改正を実施したが、利用者の増加と関係する改正か。
通勤・通学ラッシュが厳しくなってきており、それへの対応が目的だ。コロナ期に飲み会などが減った影響が今も続いているのか、夕方のお客様のご利用時間帯が前倒しになり、18時台前後に利用が集中する傾向が顕著になった。そのため今回のダイヤ改正では18時台の列車の運行間隔を縮め運行本数を増やした結果、混雑率が15%程度軽減した。朝のラッシュへどう対応するかは検討中だ。
――ラッシュへの対応という意味では、車両の増結はできないのか。現在は全列車が2両編成で運行されているが、かつてはラッシュ時に4両で運転していた。
当社の車両のうち旧型車両の1000形は4両連結ができる設計になっており、過去には4両運転を実施していたものの、利用の伸び悩みから取りやめた経緯がある。現在は運転設備も2両運転を前提としたものになっており、新型の0形車両はそもそも4両連結を前提とした設計になっていない。そのため4両運転を再開するとすれば、かなりの額の投資が必要となる。
さらに千葉市の人口推計を見ると2020年代前半をピークに減少に転じる見通しだ。こうしたことを総合的に考えると、今の段階で4両運転への投資に踏み切るのは難しいといわざるをえない。

車両や施設老朽化、どう対応する?
――車両に関して。1000形は導入から30年以上が経過している車両もある。今後の更新計画はどのようになっているか。
今年度から2027年度までの3年間で毎年2編成ずつ新型の0形に置き換えていく計画だ。これにより、全15編成が0形という体制になる。現行は全16編成なので、乗客の動向を見てさらに1編成を増車するか検討する予定だ。
――0形のさらに次の世代の車両の検討を進める予定はあるか。
今すぐにという話ではないが、次世代車両の設計は進めていく必要がある。モノレールは踏切がないことから無人運転との親和性も高いと考えられ、国との協議が必要になるが、将来的にはこうした新技術の導入も視野に入れていく可能性がある。



















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