乗客増加なぜ続く?「千葉モノレール」社長に聞く 初の年間2000万人突破、今後の課題は「老朽化」
こうした浮き沈みを乗り越え、開業から40年近くが経つ千葉都市モノレール。その経営環境は、現在どのような状態なのか。近年の利用者増の要因や、老朽化する施設の更新計画などについて、2025年6月に社長に就任した山元隆司氏(前職は千葉市財政局長)に話を聞いた。
利用者数が増えている理由は?
――年間輸送人員の推移を見るとコロナ期にはいったん落ち込んだものの、全体として見ると近年は増加傾向が続いている。どのような要因があると見ているか。
まず、沿線で宅地造成やマンション開発が行われていることがある。大きな案件としては1号線の葭川(よしかわ)公園駅前に、千葉パルコ跡地を活用した大規模なタワーマンションが近年竣工した。高層階が約400戸のレジデンスで、低層階には商業施設が入ることから誘客効果が大きく、モノレールの利用者増にインパクトがある。
2号線の沿線では複数の宅地造成が行われている。千葉市では都市計画法に基づく条例による措置で、市街化調整区域であっても「駅の中心から1キロメートルの範囲内」であれば開発行為が行えるため、この制度を活用した計画もある。
――2号線沿線では千葉公園の再整備が進められている。その影響はどうか。
大きいと思う。かつての市民球場の跡地を「芝庭」という芝生をメインとするオープンスペースとして再整備し、周囲にカフェや飲食店、フィットネスジムなどを配し、明るい雰囲気に生まれ変わった。新たな体育館も整備され、若いファミリーなど公園を利用する市民が増えており、モノレールの利用に結びついていると見ている。



















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