乗客増加なぜ続く?「千葉モノレール」社長に聞く 初の年間2000万人突破、今後の課題は「老朽化」

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――ホームページを見ると、企画乗車券の販売やイベントの企画、物販などに力を入れているようだが、収益に貢献しているか。

付帯事業で収益が大きいものとしてモノレール車体のラッピング広告がある。現在、全16編成中14編成で行っており、順番をお待ちいただいているお客様もいるなど好評だ。またロケーションサービスにも積極的に取り組んでいる。具体的にはドラマ・ミュージックビデオ・CMなどの撮影のための貸切列車を運行している。

貸切列車は一般のお客様向けにも実施しており、昼間の時間帯に限るが、たとえば千葉駅から動物公園駅まで走り、30分車内で過ごしていただき、再び千葉駅まで戻ってくるプランを5万円を切る価格でご利用いただける。

そのほか、好評なのがグッズ開発。プラレールは単価が8380円と比較的高価であるにもかかわらず、4月の発売以降これまでに約7800セットが売れている。本業の売り上げに比べれば金額は少ないが、こうしたサービスはお客様に喜んでいただけるという意味で大切だ。

千葉都市モノレール フリーきっぷ
630円で平日は10時から18時まで、休日は終日乗り放題となる「フリーきっぷ」(筆者撮影)
【図と写真】2024年度は年間利用者数が開業以来初の2000万人を突破した千葉都市モノレール。開業以来の利用者数のグラフ、ビルの谷間や市街地の空中を走る「懸垂型」モノレールの姿、そして新旧の車両など

「働きやすい環境」を目指して

――社長に就任し、今後力を入れて取り組むべきことは。

全国的に公共交通機関の人手不足が深刻な問題になっている。当社は、今のところは創業時からの社員もがんばってくれているため、運転士が足りない状況にはない。だが5年後、10年後に初期メンバーが定年を迎えることを見据えると、今から若手の養成を進めていくことが必要だ。ただし、技術職などは、今後は採用が難しくなるだろう。

こうしたことから、働きやすい環境を整えることが大事になる。運輸業は女性の割合が少ないが、女性の働きやすい環境を用意し、採用していくことなども必要だろう。また、運輸業は安全第一であることから「決められたことをきちんとやる」のは重要だが、社員にはそれだけでなく、なるべく前向きな発想をしてもらいたい。そのために、仮に失敗しても責められない企業風土をつくり、社内改革を進めていきたい。

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森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト

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もりかわ あき / Aki Morikawa

日本ペンクラブ会員。旅行、鉄道、ホテル、都市開発など幅広いジャンルの取材記事を雑誌、オンライン問わず寄稿。メディア出演、連載多数。近著に『かながわ鉄道廃線紀行』(2024年10月 神奈川新聞社刊)などがある。同書は日本旅行作家協会より第7回「旅の良書」に選出。2025年6月より神奈川新聞日曜版にて「かながわ鉄道英雄伝」連載開始。

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