習近平を激怒させた高市"台湾発言"が加速させる「早期解散」論の蠢動、永田町でささやかれる《次期衆院選》のリアルなXデー

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その一方で、自民党内では「首相発言に端を発した日中対立が長引く中、アメリカ経済の失速でトランプ大統領が窮地に陥れば、高市人気は急降下する」(経済関係閣僚)という厳しい指摘も少なくない。そのため、「一発大勝負なら年明け衆院選しかない」(自民党の若手議員)との声がじわじわと広がりつつあるのだ。

また、実質的な「会期末解散」となる④のケースについては、「高市首相がどんなにうまく政権を運営しても、現在のような高支持率の維持は困難で、自民党の圧勝などありえず、退陣論も含めて政権自体が窮地に追い込まれる」(自民党長老)といった厳しい見方が多数派だ。

そもそも、高市首相も「余計なことをしないで2027年9月までの総裁任期をまっとうし、総裁再選で長期政権を狙うのが基本戦略」(側近)とされる。それだけに、「ほぼありえないケース」(政治ジャーナリスト)とみる向きが多い。

麻生太郎
麻生副総裁は今後も高市政権を支え、政権基盤の安定化に努める考えを力説(写真:ブルームバーグ)

そうした状況下、自民党の「最高権力者」を自認する麻生太郎副総裁は19日の講演で、維新との連立政権について「今、連立政権を取り巻く環境は決して楽観できない」と指摘。そのうえで「こういった内閣を生んだ以上は育てねばいかんという決意を新たにしている」と述べ、今後も高市政権を支え、政権基盤の安定化に努める考えを力説した。

高市首相「最初で最大の正念場」はいつか

政府は21日にも、20兆円超の規模となる総合経済対策を取りまとめる。これを受けて、高市首相は同日、南アフリカに向けて出発する。

同国で22〜23日に開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席するのが目的で、帰国は24日。さらに26日には、政権発足後初の党首討論が開催される。当然、党首討論では、大騒動となっている「日中対立」や、超大型補正予算案も含めた総合経済対策について、野党側が高市首相を厳しく追及することは確実だ。

高市首相の答弁次第では、12月上旬に国会に提出される予定の補正予算が12月17日の会期末までに成立しない事態も想定される。26日から会期末までの約3週間が「高市首相の最初で最大の正念場となる」(自民党長老)ことは間違いなさそうだ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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