【価格は4000万円スタートでも予約完売】誕生100周年を迎えたロールス・ロイス最高峰モデル「ファントム」に見る究極のブランドビジネス論

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ファントム・センテナリーの天井と後席
ファントム・センテナリーの天井と後席(写真:ロールス・ロイス・モーター・カーズ)

フェリス氏の専門ではないが、シートと天井の仕上げも注目に値する。レザー張りのフロントシートにはレザーで絵を描き、後席用シートはテキスタイルメーカーと開発した生地を使う。そこに、7世代にわたるファントムを主題にした複雑な絵がプリントされている。

そこから目をあげていくと、44万におよぶという刺繍のステッチでもって「ファントムの歴史に刻まれた瞬間」が表現されている。

たとえば、左の席の頭上には、桑の葉。創始者のひとりであるヘンリー・ロイスが桑の木の下にいる写真からインスピレーションを得たそうだ。これらはみな“物語”である。

天井の刺繍の間からは、光ファイバーを使った星空が輝く。工場では専門職人が、1000本以上の光ファイバーを手作業で天井のパネルに埋め込んでいく。

職人による工芸品であり、物語の表現こそが最大の価値

ロールス・ロイスのものづくりを説明するフェリス氏
ロールス・ロイスのものづくりを説明するフェリス氏(写真:三木 宏章)

私は何度かグッドウッドの工場に足を運び、手の込んだ仕上げが行われている工程を見学させてもらったことがある。

上記のように、目がくらみそうな細やかな作業の数々で、全長6mになんなんとする車体が構成されている……そうイメージすると、改めて感心させられる。

ファントム・センテナリーを見て、「走らせる人なんているのだろうか」とつぶやいたジャーナリストがいた。

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6.75リッターのV12気筒エンジンを搭載した、走る工芸品である。それを手に入れたくて、いかに高価でも、人はロールス・ロイスを入手しようとする。このぜいたくさこそ、他に類のない商品力なのだ。

 

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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