関空・伊丹の経営統合、債務軽減の切り札でも、共存共栄は可能か

関空・伊丹の経営統合、債務軽減の切り札でも、共存共栄は可能か

日本初の格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーションの就航で沸く関西国際空港(関空)は、さらに今年7月、一つの節目を迎える。大阪国際(伊丹)空港との経営統合が行われるためだ。

統合の理由は、1・3兆円超の巨額負債の軽減をはじめとするバランスシートの軽減だ。関空は、1994年9月に完全24時間空港として開港して以来、株式会社が運営する空港として、地元関西をはじめ全国から注目され続けてきた。2007年にはB滑走路が供用を開始。国際空港の名に恥じない施設を持つが、海上空港ゆえに建設費がかさみ、その負債がネックになっていた。それを抜本的に改善しようというのが、今回の経営統合だ。

すでに昨年5月に法案が成立、同12月には設立委員会が発足した。この4月に新会社が設立されているが、統合前と後の形態は図のとおり。新会社は国が株式100%を持ち、経営統合後に、両空港の事業運営権(コンセッション)の売却を行う。一方、土地保有会社(関西国際空港株式会社)が空港用地の保有・管理を行うことで新会社と切り離し、関空のバランスシートを改善させ、すでに黒字の伊丹空港とともに経営の幅を広げようというものだ。

「伊丹の黒字で関空の赤字を埋める」。今回の経営統合は、時にこう表現されるが、実は関空の営業収益は黒字。だが、利息の支払いだけで営業利益が吹っ飛ぶことになる。関空側は、経営でどんなに頑張っても、つねに利息負担がのしかかる。そのため、政府が毎年数十億円の「補給金」を与えることで糊口をしのいできたのが実情だ。

 

 

 

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