経営者や店長から暴言を吐かれることも…「退職代行サービス」の【中の人】が語る赤裸々な"舞台裏"

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弁護士や労働組合が相手であれば、相手の主張を聞いて粛々と対応すべきです。揉めても双方にメリットはなく、時間の無駄になります。

ただし注意点として、労働組合が交渉できるのは、あくまでも労使間の問題に限定されます。たとえば、従業員貸付(企業から従業員への金銭の貸付け)のように、労使関係以外の問題については交渉を行うことはできません。

──なぜ弁護士や労働組合が運営する退職代行サービスは少ないのでしょうか。

弁護士の場合、退職代行の費用は3万円程度ですが、この単価は弁護士にとっては低すぎます。

また、労働組合のように非営利団体として運営する覚悟のある業者も少ないため、民間企業が業界に参入してきているというのが現状です。

従業員による退職代行利用は「改善の材料」

──退職代行を利用される企業に共通する特徴はありますか。

募集要項や面接時等に説明する雇用条件と、実際の雇用条件に齟齬がある企業は、特に新卒や入社直後の従業員から退職代行を利用されることが多くなります。社内の雰囲気や会社の方針が、面接時の話と実際に入ってからでは真逆だったというケースも少なくありません。

内定辞退や入社後1週間以内に依頼をする人の約8割は、このようなミスマッチを理由に挙げています。

中小企業は、賃金や条件面で大企業に勝つことが難しく、人手不足に直面している場合が多いことから、雇用条件等の説明を過度に"盛って"しまっているケースもあるかもしれません。

──自社の従業員に退職代行を利用された場合、企業としてはどのように考えるべきでしょうか。

自社の課題や問題点を改善するための「材料」として受け止めるのがよいと思います。従業員が退職代行サービスを利用する場合、必ずしも会社側に非があるケースばかりではありません。たとえば、新しい仕事や次のキャリアに進みたいけれど、性格的に退職の意向を上司に言い出せない、という依頼者も少なからずいます。

ですから、企業側は退職代行を使われることを恥じたり、感情的な対応をするのではなく、冷静に退職理由の確認に努め、自社の課題の改善につなげたり、自社の魅力を高める人事施策に活かすべきです。

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