"フェイクニュースが命を奪う時代"だからこそ考えたい「立花孝志氏の逮捕劇」が突きつける民主主義への深すぎる課題

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さらに「オールドメディアは真実を伝えない」という“思い込み”が、こうした効果をさらに強めることになる。しかし、真偽のフィルターを通らない情報をそのまま受け入れるのは、衛生的に問題ないかわからない川の水を飲むことに等しいものだ。

10月26日に投開票された宮城県知事選でも、「こんなにあるのか!!売国的宮城県知事 村井嘉浩の悪行14選」と題された画像がSNSで拡散された。これには、村井知事の写真に重ねて「ムスリム定住者大歓迎」や「移民の権利を守る」など、排斥主義をあおる文言が躍っていた。

村井知事の悪行14選
「村井嘉浩の悪行14選」と題された画像の投稿には、「偽情報が多数含まれる画像です」というコミュニティ ノートが付けられている(画像:Xの投稿より)

さすがに看過できない問題だとして、地元紙である「河北新報」がファクトチェックを行い、紙面とホームページで7回にわたって掲載。「14選」の1つひとつを検証し、「正しい」のか「間違っている」のか、それとも「どちらでもない」のかを判断し解説した。

こうしたファクトチェックを行うきっかけの1つになったのは、兵庫県問題に対する危機感だった。そして、今やそれはメディア関係者のみならず、良識ある国民の共通認識になりつつある。

「必ず正しい結果を導くものではない」からこそ…

2024年は「ネット選挙元年」と言われ、ネットが重要な手段となった。その一方で、衆議院東京15区補欠選挙での「つばさの党」騒動や、東京都知事選での「石丸現象」、そして兵庫県問題が発生した。そして、民主主義が「必ず正しい結果を導くものではない」ことを証明することにもなった。

では、「正しい結果を導く民主主義」とは何なのか――。それは、有権者1人ひとりがフェイクニュースに惑わされないよう、リテラシーを身につけた先に見いだせるものではなかろうか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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