ニデック岸田社長が株主や投資家に謝罪、不適切会計疑惑の背景には短期的な収益にこだわり過ぎる企業風土があったとの考え示す

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会見に臨むニデックの岸田社長(14日、都内)Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

創業者の永守重信グローバルグループ代表は出席せず

ニデックの岸田光哉社長兼最高経営責任者(CEO)は14日、不適切会計疑惑などに関して記者会見を開いた。株主らに謝罪するとともに問題の背景には短期的な収益にこだわり過ぎる同社の企業風土があったとし、改善していく考えを示した。

岸田氏は社風の中にプレッシャーがあるのは否めず、短期的な収益の部分に向けたプロセスが会社経営のかなり大きな運営の中身を占めていると認識していると指摘。「そこから改めていかなくてはよくならない」との思いから企業風土改革に取り組む必要があると述べた。

「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」というニデックのモットーについて「必ず正しくやる」という新たな倫理観を加えることが重要との考えを示した。短期的に儲けた人だけが評価されるような人事制度や会計のプロセスなどが原因ととらえ、「その背景を徹底的につぶしていく」と決意を示した。

経営陣の責任については第三者委員会などの調査結果を踏まえて判断するとしがら、自身については「よりよい企業への再生が最大のミッション」だと述べた。

岸田氏が9月3日に第三者委員会を設置してから公の場で話すのは初めて。会見には創業者の永守重信グローバルグループ代表と佐村彰宣最高財務責任者(CFO)は出席しなかった。岸田氏によると、永守氏は執行職を外れているため、佐村氏は不適切会計疑惑の調査中で、経理関連の業務から外れているためという。

ニデックは同日、4-9月期(上期)の営業利益は前年同期比83%減の211億円だったと発表した。車載事業の営業損益は828億円の赤字(前年同期は196億円の黒字)に転落したことなどが足を引っ張った。

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