「いったい何兆円の経済効果…?」「インバウンドはさらに増える?」"江戸城天守再建"プロジェクト「投資のプロ」の驚きの見方
古くは富裕層を中心とした宗教的な巡礼として行われていた外国旅行、すなわちエルサレム、ローマ、メッカへの巡礼は、18世紀に欧州貴族の教育的理由として広がりを見せる。19世紀には世界初の旅行会社トーマス・クックがイギリスで生まれ、鉄道や飛行機などの移動手段のイノベーションが続き、外国旅行は20世紀以降に世界で爆発的に広がった。
近年では、価格の安い航空会社(LCC)、便利なオンライン旅行会社の台頭、各国政府の観光業への注力により、外国旅行は引き続き、世界的な成長産業だ。実際、過去30年で世界人口が1.4倍に増えたのに対し、外国旅行者数は2.6倍に増加している。
また、一人当たりの所得がある一定水準を超えると、外国旅行者数が急増するという研究は昔からあり、現在では年収200万〜300万円がその水準と思われる。中国がまさにこの水準に差し掛かっており、人口の多いインドやインドネシアはまだまだこれからポテンシャルがある。
これは筆者の主観であるが、五感を使って異世界を体験する「外国旅行」は、VRや生成AI技術がより生活に入り込むこれからの社会においても、大きな価値を提供し続けるだろう。
また、旅行客の高単価化には、歴史・文化・芸術といった分野が欠かせない。外国人には理解するのが非常に難しい日本のわびさび文化の橋渡しとして、誰もが五感で体験できる江戸城というコンテンツは面白いのではないだろうか。
江戸城は外国人にとって、強烈な五感を使っての体験となるであろうし、それは日本と世界の両方で日本のファン増に貢献するだろう。
世界とともに歩む新しい日本へ
日本に留まらず外国でチャレンジする企業が増えること、NISAなどで貯蓄から国際分散投資へチャレンジする個人が増えることは、令和において豊かな日本を築く大切な要件だ。
そして、その過程で生まれる円安の副作用への対処について、例えばインバウンド消費の強化などを我々は考えていかなくてはならない。
より長期的な視点で見れば、通貨安圧力をオフセットする本命は、日本が国際競争力のある産業を持つこと(強い日本)、そして外国から日本への投資を呼び込むこと(株や不動産、事業への投資から留学や移住まで)である。
後者については、日本は常に世界とともにあることを念頭に、世界の豊かさを日本に取り込むための正しいルール作りに期待したい。
歴史的や地理的、そして未来を俯瞰する視点を持ち、「体験を通じて愛される日本」を築くこと。江戸城天守再建プロジェクトには、これからの新しい日本を創るヒントが多く隠されているのだ。
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