「いったい何兆円の経済効果…?」「インバウンドはさらに増える?」"江戸城天守再建"プロジェクト「投資のプロ」の驚きの見方
言葉を変えれば、国際収支は会計的には大きく黒字だが、為替に影響を与えるキャッシュフロー的には赤字となっているのが、日本の問題ということである。
この新しい構造的な問題は、日本が先進国となり、貿易立国から投資立国へ移行していく中で、付き合っていかなければならない課題なのである。
インバウンドが日本最大の外貨獲得産業に
ここで、実需として為替に強く影響を与えている、2024年の輸出入の上位項目を見てみよう。
インバウンド消費の8.1兆円は、自動車完成車に次いで第2位の外貨を稼ぐ手段、つまり、円を強くし輸入品インフレを抑える手段として成長してきている。今後、インバウンドが政府目標の6000万人へ向かえば、インバウンドが日本最大の外貨獲得産業となる可能性もあるだろう。
実需として円を弱くする「輸入」では、1位は原油、2位はデジタル関連となっている。原油・エネルギーは日本経済のボトルネックであり、中長期的に原子力に変わる核融合技術などが期待されている。
デジタル関連赤字(アメリカ巨大テックへのクラウドやアプリ使用料)は、インバウンド消費と同じくここ10年で急拡大した項目であり、現在はインバウンドの円買いとちょうど打ち消し合う規模感となっている。
こうして整理して見ると、インバウンド消費とは、日本の家計を円安や輸入インフレから守る、極めて大切な役割を果たしていることがわかる。現在、再建が計画されている江戸城天守は、かつての徳川幕府を守る城ではなく、日本国民を守る城として活躍する役割を求められるのであろう。
では最後に、インバウンドに深く関係する、世界における外国旅行の歴史や今後の未来について考えてみよう。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら