「いったい何兆円の経済効果…?」「インバウンドはさらに増える?」"江戸城天守再建"プロジェクト「投資のプロ」の驚きの見方
ここ数年、日本円が弱くなっているのは周知の事実だ。2025年11月中旬現在、1米ドル155円程度、1ユーロ180円近くであり、過去5年で見ると円は4〜5割も減価している。どうしてだろうか。
金融的には、国内外の金利差などで説明されるが、ここではより実需で長期の構造的な話を取り上げたい。
実は、日本の外国での稼ぎには、
・すぐには環流していないもの
の2種類がある。前のページで掲げた〈日本が世界経済から稼ぐ手段の変遷〉の5項目を分類すると、以下の通りとなる。
〔1〕貿易輸出 〔3〕コンテンツ輸出 〔4〕インバウンド消費 など
日本にすぐには環流しない稼ぎ(主に所得収支)
〔2〕企業のビジネス投資 〔5〕個人の証券投資 など
日本が海外で稼いでいる主力は、おもに昭和や平成の前半は前者から、平成の後半以降は後者からと、変化しているのだ。そして、海外でより稼ぐための種銭として、企業や個人が海外へ継続的な新規投資を続けていることが、日本円が安くなっている理由となる。
たとえば、ある日本企業は、成長著しいアフリカに海外法人を出資して作り、将来性の高い現地ビジネスへ継続投資をしていく。ある日本人個人は、海外株の投資信託への積立投資をし、そこからの配当は同じ商品に再投資して長期運用を行う、などだ。
「円を強くする」実需の活動の大切さ
ここで、日本企業の海外ビジネスがうまくいっていること、 日本個人の資産運用がうまくいっていることは、当然に「良いこと」であり、止めるべきではない。日本企業や日本人が自らのバランスシートで、世界において大きな資産を持つこと、つまり世界のオーナーになることは、日本の長期的な豊かさにとって大いにプラスだ(更なる対外純資産の増加)。
ただし、貿易輸出やインバウンド消費など、短期で「環流する外国からの稼ぎ」を持っておかないと、為替の円安が進んでしまい、輸入物価インフレから日本人の生活水準は悪化してしまうのだ。



















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